前回の記事 で中村天風氏のエピソードを紹介しましたが、こんな話もありました。
直接本を読んで確認した話ではないのですが、こんな話です。
最初はカリアッパ氏から中々教えてもらえなかった話はしたと思います。
そんなことで耐え切れなくなって指導を嘆願した時の話らしいです。
師匠であるカリアッパ氏は弟子たちに通りすがりの犬をつれてこさせ、ナイフで切りつけて傷を付けたそうです。
そのナイフで中村天風氏を切りつけ傷を負わせて、立ち去ってしまったそうです。
中村天風氏は身体が弱っていたこともあり、抗議もできず床に伏していました。
医学博士でもあった中村氏は事態の深刻さを認識しました。
彼の思ったとおり感染症の症状が現れ、手の感覚もなくなって動かなくなってしまいました。
やがて、何日か経ったある日、傷つけたあの犬を従えて、師匠が再び現れました。
犬の傷は完全に癒えていました。
師匠が言いました。
「犬が治ってなぜ人間のお前が治らぬのだ?」
中村天風氏が答えます。
「犬だからです」
師匠が中村天風氏に尋ねます。
「犬と人間のどちらが上等にできているんだ?」
「人間です」と中村天風氏
師匠はさらに続けます。
「その犬が治って人間がなぜ治らないんだ?」
「・・・・・・」と何も言えない中村天風氏。
そこで師匠がこう言ったそうです。
「お前は、自分の頭の中でこんな不衛生な環境で、犬を切ったのと同じナイフで切りつけられたのでは、傷はどんどん悪化し、助からないと思っていたのではないか? しかし、この犬を見ろ! この犬は傷が治ることをひたすら信じて、傷口をずっとなめ続けていたのだ。その結果、お前の傷は悪化し、犬の傷は完治した。思っていることが現実になるのだ」
ナイフで傷つけるなんて、ちょっと信じられないエピソードですが・・
このことも目覚めのきっかけになっているようです。
犬も、人間も自然治癒力をもっています。
当然、自然治癒力働かせることに大きなエネルギーを使うのだと思います。
だから療養して安静することも必要なのだと思います。
そこで思うのですが、私たちはネガティブなことを考え恐怖を感じるときに、自然治癒力を働かせる以上のエネルギーを使っているのではないでしょうか?
暗い気持ちでいると意欲や力が出ません。
楽しいことをして希望に満ちているときには何日寝不足でも元気だった経験はありませんか?
楽しいことや喜びは逆にエネルギーを充電してくれているのではないでしょうか?
マイナスな思いを引き起こす思考はエネルギーの無駄遣いです。
ネガティブなことはさて置いて、
楽しいことを考えましょう。
もちろんリスクは管理する必要があります。
本当のリスクマネージメントはリスクを最小限に抑えることです。
思い悩むことは傷口を広げているようなものです。
自然治癒力の手助けをすることは大切です。
栄養を摂ったり、休養したり・・・・
ただ粛々と、なにも考えずに自然治癒力の手助けをしてみましょう。
いちばんの手助けはもちろん、思い悩まないことです。