皆さん、こんにちは
いきなり日差しが強くなってきて暑くなって来ましたね
前回は、精子調整法の精子を選別操作である密度勾配遠心法・濃縮法についてでしたが…
今回は、精子調整法の精子を泳がせてあげる操作のswim up法についてお話していきたいと思います
簡単に説明をすると、
swim up法(精液静置法)というのは、名前の通り精子を泳がせてあげることによって運動性の良好な精子を得ることができる方法です
運動性の良好な精子を回収するのは、良好な受精能と損傷のない良質な父親の遺伝情報を備えた精子を回収するねらいがあります
精子の損傷があるほど受精能と胚発生能、とくに胚盤胞への発生率は低下すると言われています
実際の手技として、
①密度勾配遠心法・濃縮法で得られた精子に、培養液を重層します
②そのチューブをインキュベーター内で傾けて置いておき、一定時間静置します
③その後、透明な培養液を重層しているので精子が上部へ泳いでいったことで上の方が白く濁ってきます。
その培養液の上部あたりを回収し体外受精や顕微授精に用いられます。
当院では基本的に、精子を密度勾配遠心法・濃縮法を施行した後に、swim up法で運動性の良好な精子を得る操作をしています
この良好な精子を用いて体外受精や顕微授精の操作が行われているのです
前回と今回あわせて精子調整法についてまとめさせていただきました
次回は体外受精についてお話しさせていただく予定です