まさに私。
保護したつもりが、実は私の方が救われている。
私を守る為にムギは私の元に来たのかもしれない。
猫を飼う事にずっと反対していた嫁さん。
実は猫好き。
以前、猫を飼っていたこともある。
飼う事に反対していた最たる理由は、当時の家計では責任を持って飼っていける核心がなかったから。
しかし、ストレスで心が病んでいく私を見かねて、猫を飼う事を了承してくれた。
本当に嬉しかった。
今まで手に入れた何よりも嬉しかった。
ムギは捨て猫だった。
ムギを保護した里親さんから譲って頂いた。
ムギが来て二カ月後、私は20年勤めた会社を辞めた。
病が原因で今の会社に移るのに半年を要した。
その間、私はかなりムギに癒された。
あの日から一年と四ヶ月。
相変わらず気分に波はあるものの、その起伏はかなり小さくなった。
そして、大きな発作は起こしていない。
体調の優れない時は、気付いたらムギが側に寄り添ってくれているから。
そのムギが一ヶ月前に体調を崩した。
今も元気のない日が多い。
ムギが体調を崩した原因は多分私。
守るのに疲れたのだと思う。
今度は私がムギを守る順番。
今は責任持ってムギの一生を看る金銭の余裕も、心の余裕もある。
今頃ですが、ムギが家族の一員だとはっきり分かりました。
まさに私は、捨て猫に拾われた男です。
