プロ野球は現在、日本シリーズに突入した。

今年は巨人vs西武である。

6年ぶりの顔合わせ。


1990年代前後、この組み合わせはほぼ毎年のようにあった。

常勝軍団同士の戦い。

その当時のエースと4番打者がお互い監督と言う立場になっての戦いなので

昔を知っている者にとってはたまらないだろう。

筆者もその一人である。


共に栄光と挫折を味わい、また光を浴びた。

力と力の勝負を好む者同士の、乱打戦で幕を開けたシリーズ。


原辰徳は現役時代、巨人の4番打者として恥じない成績を残した。

渡辺久信も、西武黄金時代のエースとして、最多勝3度とタイトルを獲得。

渡辺は今でこそ髪が薄くなってしまったが、共に実力、容姿を備えた一流である。


チームの若返りを図るために、自由契約になり

新天地を求めてヤクルト入り。

剛速球でならした投球も影を潜め、痛打される事も多くなってしまった。

それでも速球に拘り、そして砕かれた。


新たな場所を求めて、台湾球界に向かう。

台湾は今でこそレベルが上がったが、当時10年前はまだまだ環境すら整備されていなかった。

そこで投手兼コーチとして、さらに一花咲かせた。

各国のレベルアップに努めた第一人者とも言えよう。


現役を退く際に、一番の思い出を彼はこう語った。

「1989年の近鉄との優勝争いで、ブライアントに打たれた直球」

多くの投手が試合、三振に取った打者などを挙げるが

ホームランを打たれた打者との思い出を語る投手は他にいないだろう。

もし変化球を投げて打たれたらもっと悔いが残っていたと思われる

彼の直球勝負への拘りが言葉以上に出ていた。


指導者になり、監督になり

その持ち味を選手に多く発揮されている。


エラーしても怒られない、三振しても怒られない…

盗塁失敗しても怒られない。

全力でプレーしての結果なので、攻める姿勢があってのミスなので

失敗を引きずらず、どんどん攻めて行くという思いが

選手たちを伸び伸びプレーさせ、潜在能力を引き出している。


前年度5位から、パ・リーグ制覇という

誰も期待していなかった事をわずか1年で遣り遂げたその手腕は

また黄金時代の復活をファンに思い起こさせてくれるだろう。