2023年シーズンはリーグ3位となり、来シーズンは更なる浮上を狙う横浜DeNAベイスターズ
チームの課題の1つに挙げられているのが投手陣。
今季は山﨑が不振で守護神の座を外れ、森原がシーズン途中から抑えを担ったものの、来季の守護神は不透明。また7年間在籍したエスコバーも今季限りでの退団が決定的。
先発でも今永がMLB挑戦を表明し、バウアーもMLB復帰の可能性を模索。今オフは森唯斗、中川颯、現役ドラフトで佐々木千隼を獲得するなど、先発・救援共に戦力補強が必要な状況でした。
そんな中で12月16日、今季トロント・ブルージェイズ傘下3Aに所属し、メジャー通算146試合に登板した実績を持つローワン・ウィック投手と契約を結んだと発表しました。
【DeNA】新外国人投手ウィック獲得 異色の経歴持つメジャー通算146試合登板の救援右腕(日刊スポーツ)
DeNAは16日、前ブルージェイズ傘下3Aのローワン・ウィック投手(31)と来季の契約を結ぶことを発表した。
ウィックは、2012年ドラフト9巡目(全体300番目)で捕手として、プロ入り。外野手を経て、投手に転向した異色の経歴を持つ。
長身から150キロを超える速球が武器の救援右腕で、昨季はメジャーで64試合に登板。通算146試合6勝10敗20セーブ、防御率3・82と豊富な経験を誇る。
今季は3Aで43試合4勝4敗5セーブ、防御率6・66だったが、51回1/3のイニング数を大きく上回る73奪三振をマークした。
バウアーの去就が不透明な中、オースティン、ウェンデルケンの残留が決定。ウィックには、山崎、森原、ウェンデルケン、伊勢らとともに守護神争いも期待され、強固なリリーフ陣を形成する。
今回は DeNAが獲得を発表したローワン・ウィックについて紹介します。
メジャー通算146試合登板 22年にはシーズン64試合に登板したパワー型右腕
ローワン・ウィックはカナダ連邦・ブリティッシュコロンビア州出身の31歳。右投左打の投手です。
2012年MLBドラフト9巡目(全体300位)でセントルイス・カージナルスから指名され、プロ入り。プロ入り時は捕手として入団した。
2014年からは外野手に転向し、野手としてマイナー通算352試合打率.246、34本塁打、119打点、OPS.795を記録した。
2015年のシーズン途中に投手へ転向。この年はルーキーリーグで3試合0勝1敗、防御率9.00、1奪三振を記録した。
2016年は1A+、2Aでプレー。合計で44試合2勝0敗6S、防御率2.44、57奪三振を記録した。
2017年は開幕前にWBCカナダ代表に選出。シーズンではルーキー級、2A、3Aでプレー。合計で34試合2勝1敗6S、防御率3.19、42奪三振を記録した。
2018年2月16日にウェイバーを経て、サンディエゴ・パドレスへ移籍。8月31日にメジャー契約を結ぶと同日の試合でメジャーデビュー。
この年はメジャーで10試合0勝1敗、防御率6.48、7奪三振を記録。オフの11月20日に交換トレードでシカゴ・カブスへ移籍した。
2019年はメジャーで31試合2勝0敗2S、防御率2.43、35奪三振を記録した。
2020年はメジャーで19試合0勝1敗4S、防御率3.12、20奪三振を記録した。
2021年はメジャーで22試合0勝1敗5S、防御率4.30、29奪三振を記録した。
2022年はメジャーで64試合4勝7敗9S、防御率4.22、69奪三振を記録。これがメジャーでのキャリアハイとなった。
2023年は開幕前にマイナーへ降格すると、7月15日に自由契約となり、8月2日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ。この年は3Aで43試合4勝4敗5S、防御率6.66、73奪三振を記録した。
シーズン成績
上記はローワン・ウィックのシーズン成績です。
今シーズンはメジャーでの登板はありませんでしたが、3Aでは43試合4勝4敗5S、防御率6.66、73奪三振、1.42WHIPを記録しています。
メジャーでは2022年に64試合4勝7敗9S、防御率4.22、69奪三振、1.69WHIPを記録し、メジャー通算では146試合6勝10敗20S、防御率3.82、160奪三振、1.47WHIPを記録しました。
特徴的なのは奪三振率の高さ。
メジャー通算9.9K/9(146.0イニング/160奪三振)、3A通算11.4K/9(130.0イニング/164奪三振)を記録。
今シーズンは3Aで12.8K/9(51.1イニング/73奪三振)を記録するなど、イニング数を大幅に上回っていて、リリーフ投手として必要なスキルを有していると言えます。
一方で課題と言えるのは制球力。
メジャー通算4.1BB/9(146.0イニング/66四球)、3A通算4.0BB/9(130.0イニング/58四球)を記録。
今シーズンは3Aで5.1BB/9(51.1イニング/29四球)と数字が悪く、この点は課題になりそうです。
質の良いストレートが最大の武器
上記はローワン・ウィックの球種別成績です。
2022年の投球割合を見ると、ストレート:55.8%、カーブ:21.4%、カットボール:17.2%、スライダー:5.3%、シンカー:0.2%、チェンジアップ:0.1%となっていて。基本的にはストレートを軸にカーブ、カットボール、スライダーを織り交ぜているスタイルです。
ストレートは、最速157.7キロ、平均152.8キロを計測。シュート回転の度合いが少なく、縦回転で質の良いボールであると評価されています。
空振り率も通算10.7SwStr%を記録し、空振りを奪うことが出来るストレートであると言えます。
カーブは、平均123キロを計測し、平均的なカーブよりも縦変化が大きいボールです。こちらも空振り率が通算9.2SwStr%を記録し、空振りが取れるボールです。
カットボールは、縦変化が小さく、横に小さくスライドする軌道のボール。三振を奪うボールではありませんが対左打者を詰まらせるボールになるのではないかと考えられます。
スライダーは横変化がやや大きいボールです。ただそこまで際立った球種とは言えません。
プレー映像
↑2022年の球種別映像
↑プレー映像
映像を見ると小さなテイクバックからボールを投じています。スカウティングレポートなどではリリースポイントが一定でボールの角度や球持ちの良さを高く評価されている。
映像を見ると際立っているのはストレートの勢い。ゾーン内にしっかりと投げ込めているだけではなく、高めで空振りが奪えるなど、良質なボールと言えます。
カウント球としても決め球としても非常に有用であると言え、このボールが通用するかどうかが活躍のカギになりそうです。


