2023年シーズンは2年連続最下位に沈み、来シーズンは正念場を迎えている北海道日本ハムファイターズ
2023年シーズンの課題の1つだったのが、センターの固定。
万波、松本剛が外野手としては定着しているものの、センターはレギュラーが固定できず、五十幡、江越などが流動的に起用されていました。
また打順も流動的な状況が続き、特に1番は18人、2番は20名以上の選手が起用されるなど固定することが出来なかった印象です。
そんな中で12月14日、今シーズンミネソタ・ツインズで25試合に出場し、マイナー通算183盗塁を記録しているアンドリュー・スティーブンソン外野手と契約合意に達したと発表しました。
【日本ハム】俊足外野手スティーブンソン獲得「肩は強くないけどあの守備範囲があれば」新庄監督(日刊スポーツ)
日本ハムは14日、今季ツインズで25試合に出場したアンドリュー・スティーブンソン外野手(29)と契約合意に達したと発表した。
スティーブンソンは「このたび北海道日本ハムファイターズでプレーできる機会を頂き、光栄に感じています。また、日本の文化に触れながら野球ができることをうれしく思います。1日でも早くファイターズファンの皆さんにお会いしたいですし、エスコンフィールドという素晴らしい球場でプレーすることを心から楽しみにしています。自分のできる全てを出し切り、チームのリーグ優勝、そして日本一に貢献できるよう、全力を尽くします」とコメントした。
スティーブンソンは15年ドラフト2巡目、全体58位でナショナルズから指名され、17年にメジャーデビュー。今季はマイナー契約を結んだツインズで9月にメジャー昇格を果たした。
メジャー通算273試合打率2割4分3厘、8本塁打、50打点、9盗塁。マイナー通算713試合打率2割8分9厘、53本塁打、306打点、183盗塁をマークしている。
新庄剛志監督は「脚力があって、センターを守ることができて、それでいて1発もあるというのは本当に魅力的だね。ファイターズの外野陣にもいい刺激になるんじゃないかな。小技と力技を兼ね備えている選手って、あんまりいないでしょ。打順でいくと1番や2番を争う存在になってほしい。肩はあまり強くないけど、あの守備範囲があれば問題なし。楽しみな選手がまた1人、加わってくれました」と期待のコメントを発表した。
今回は日本ハムが獲得を発表したアンドリュー・スティーブンソンについて紹介します
MLBトップ級の脚力が最大の武器 21年にはメジャーで109試合に出場した実績も
アンドリュー・スティーブンソンはアメリカ合衆国・ルイジアナ州出身の29歳。左投左打の外野手です。
2015年MLBドラフト2巡目(全体58位)でワシントン・ナショナルズから指名され、プロ入り。契約後、傘下ルーキー級でプロデビュー。その後、1A、1A-でプレーし、3球団合計で55試合打率.308、1本塁打、25打点、23盗塁を記録した。
2016年は1A+、2Aででプレー。合計で133試合打率.276、3本塁打、34打点、39盗塁を記録した。
2017年7月23日にメジャー契約を結んで、アクティブ・ロースター入り。同日の試合でメジャーデビューを果たした。この年はメジャーで37試合打率.150、1打点、1盗塁を記録した。
2018年はメジャーで57試合打率.253、1本塁打、13打点、1盗塁を記録した。
2019年はメジャーで30試合打率.367、0本塁打、0打点を記録した。
2020年はメジャーで15試合打率.366、2本塁打、12打点、2盗塁を記録した。
2021年はメジャーで自己最多となる109試合打率.229、5本塁打、23打点、1盗塁を記録した。
2022年は4月に40人枠を外れて、マイナーに降格。この年はメジャーではプレーできず、3Aで135試合打率.279、16本塁打、67打点、39盗塁を記録した。オフの11月10日にFAとなった。
2023年3月9日にミネソタ・ツインズとマイナー契約を結んだ。3Aで106試合打率.317、16本塁打、57打点、44盗塁を記録。9月にアクティブ・ロースター入りし、メジャーで25試合打率.189、0本塁打、1打点、4盗塁を記録した。
シーズン成績
上記はアンドリュー・スティーブンソンのシーズン成績です。
2023年シーズンは9月にメジャー昇格を果たし、25試合打率.189、0本塁打、1打点、4盗塁、OPS.466を記録し、3Aでは106試合打率.317、16本塁打、57打点、44盗塁、OPS.916を記録しました。
メジャーでは2021年に109試合打率.229、5本塁打、23打点、1盗塁、OPS.632を記録したのがキャリアハイの成績となっています。
一方で3Aではここ2年間で16本塁打、30盗塁以上を連続で達成するなど大きな活躍を見せています。ただ額面通りにパワー面の評価が高い訳でもなく、MLBでは長打率がガクンと下がるため、この点は留意が必要です。
ただスピード面に関しては抜群のスキルを有していると言えそうです。
ストレート系には強いも変化球には脆い
上記はアンドリュー・スティーブンソンの球種別成績・打球傾向です。
球種別成績を見ると、ストレート系に対しては打率、長打率、ISOが高い傾向にあります。しかし変化球になると数字が急落。特にカーブに対しては打率.063(62-19)、62.7K%と全く対応できていないと言わざるを得ません。
スライダーに対しても脆い部分があり、NPBではこの2球種に対する対応が課題となりそうです。
打球傾向を見ると、MLBでは打球に角度が付かず、Barrel%も4.6%とMLBレベルではパワーレスな印象がぬぐえなかったと言えます。
ただゾーン管理に関しては悪化している部分はなく、3Aでは三振率が今季20.6%と上々の数字を残しており、コンタクト面での不安はなさそうです。
脚力を生かした守備範囲の広さが光る 肩は及第点
上記はアンドリュー・スティーブンソンの守備成績です。
外野3ポジションをこなす技量がありますが、一番イニング数をこなしているのがセンター。
通算58試合で345.2イニングを守っています。特に評価できるのはRngRの数値。この数値が大きいほど、守備範囲の広さに繋がるのですが、全ての年でプラス評価を得ていて、今季は18試合の出場ですが、+1.1を記録するなど、持ち前の脚力を生かした守備範囲の広さは大きな武器と言えます。
またUZRも今季は+2.0を記録し、150試合換算では+36.5を記録。通算でもプラス評価であることを考えれば、守備での貢献度は高いと言えます。
肩に関してはセンターではARMがプラス評価ではありますが、その他ではマイナス評価。スローイングの強度にはプロ入り時からずっと評価が低く、新庄監督も肩はあまり強くないと評価しています。
プレー映像
↑2023年3Aでのプレー映像
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↑2023年MLBでのプレー映像
↑プレー映像
プレー映像を見るとオーソドックスな打撃フォームからライナー性の打球を打ち分けている印象です。
比較的インコースのストレートや変化球は打てる印象ですが、縦変化のボールや外へ逃げるボールへの対応にはやや苦慮しそうな印象もあります。
守備の映像を見るとスピード感があり、守備範囲に関しては大きな問題はなさそうですが、スローイングに関してはやはり弱いと言う印象が拭えません。
スピード感があり、リードオフマンを任せつつもここぞではパンチ力も発揮できる可能性は十分あると言えます。課題だったセンターを固定できれば、チーム状況も大きく向上しそうです。