2023年11月の情報
FA権の行使を決断 パリーグへの移籍を目指す意向(11月14日)
広島・西川龍馬外野手(28)がFA権を行使することが14日、球団から発表された。
西川はマツダスタジアム内で会見に臨み、昨季取得したFA権行使についての心境を語った。「先ほど、申請書を提出しました。自分の挑戦したい気持ちがあって。そのことを正直に常務(鈴木球団本部長)と監督に伝えました」。残留か、異なるリーグへの移籍かの2択で迷い、FA申請期限最終日の発表となった。
広島とは2日の交渉で、複数年契約などの条件が提示されるなど、誠意を感じた。今季は1カ月以上の離脱がありながらも、4番も務めるなどリーグ2位の打率3割5厘、9本塁打、59打点。通算2970打席で通算打率2割9分9厘と、リーグを代表する功打者となった。
西川には、ソフトバンクやオリックスなどが獲得に興味を示しているといわれ、争奪戦が展開される可能性ももある。
【評】去就が注目されていた西川龍馬外野手がFA権行使を表明し、パリーグへの移籍を視野に入れている事を明らかにしました。
今季は怪我による離脱はあったものの、109試合打率.305、9本塁打、59打点を記録し、卓越した打撃センスは“天才”と称されるほどでした。
会見では移籍希望はパリーグであることを明かし、「パリーグの野球に興味があった。野球人生は短いのでそちらでもプレーしたいと考えた」と明かしています。補償が必要なBランクではあるものの、打線強化を狙う球団による争奪戦となりそうです。
オリックスが獲得を発表(11月22日)
オリックスは22日、広島から国内FA権を行使していた西川龍馬外野手(28)を獲得すると発表した。契約金は最長で5年総額で15億円以上とみられる(金額は推定)。
オリックスは西川がFA行使を宣言してから、最大限の誠意でアタックを続けてきた。西川が打者としての成長を求めてパ・リーグ移籍を模索していたこともあり、両者の思いが合致。熱意が実った形となった。
福良淳一GMは「今年1年見てて得点力を上げたいというのと、外野のポジションがなかなか決まらなかった。そこが一番大きかった。」と西川獲得の経緯を説明。
西川には主軸を担う可能性も感じながら、打線の幅を広げる役割を期待。「天才的なバットコントロールを持っていて、やっぱり打撃の技術は相当高いと思う。その中でチャンスメークも出来て、ポイントゲッターにもなるということで、打線に入れたらいろんな幅が出来ていいかなと思っている」。さらに「戦力的には大きなところだと思う。あと、左の若い選手が多いですからね。西川君の無駄のないバッティングを見て、相当勉強になるんじゃないですかね」と若い選手たちへの波及効果も願った。
【評】リーグ4連覇・日本一奪回を目指すオリックスが、西川龍馬の獲得に成功しました。
今季は吉田正尚がMLBに移籍した事に加えて、シーズン中は杉本裕太郎など外野の主力が不調や故障に苦しんだことで、外野手で100試合以上に出場したのは中川圭太のみ。シーズン終盤には森友哉がライトを守るなど外野陣は非常に流動的な起用が続いていた状況でした。
そんな中で主力級の実力を持つ西川の獲得に成功した事は非常に大きいでしょう。
一方で広島は打線の主軸を失う形となり、人的補償も含めて今後検討が始まると見られます。
2023年12月の情報
オリックス側から人的補償名簿が届く(12月11日)
広島鈴木清明球団本部長が11日、西川龍馬外野手がFAで移籍したオリックスから人的補償に関するプロテクト名簿が届いたことを明らかにした。
「検討中。(人的補償を選択するのか、金銭補償を選択するのかは)まだ決めていない。個々を見て、将来を見て考えるか、今のスタッフで考えるのか。そういう考え方しかないかなと思う」。期限は40日以内とされているが、現場の意向も聞きながら検討を重ねていく。
【評】オリックス側から人的補償に伴うプロテクト名簿が届いたことが明らかになりました。
現時点で人的補償か金銭補償かは未定で、今後首脳陣らの意向を踏まえて決定すると見られます。年内での決着か越年か、今後の動向が注目されます。
補償内容は年明けに決定する意向を示す(12月26日)
広島鈴木清明球団本部長は26日、オリックスへFA移籍した西川龍馬外野手の補償を年明け1月4日以降に決定する見通しを示した。
仕事納めとなったこの日にも結論は出ず「相手のことも考えれば早い時期にしたいと思うけど、今日の段階では(難しい)」と話した。
新井監督の意見もすでに聞いており、金銭補償を含め、人的補償の候補選手の絞り込みは進んでいる。「だいたいは絞ってきているけど、最終的な判断は年明け早々になると思う」。仕事始めの4日から再び精査した上で、13日までの期限を待たずに判断していくことになりそうだ
【評】補償内容に関する決断は年明けに持ち越される事になりました。
人的補償の候補選手は絞り込まれているものの、金銭補償の選択肢も残されている模様で年明け早々にも結論が下されそうです。
2024年1月の情報
人的補償として日高暖己を獲得したと発表(1月5日)
広島が5日、FA移籍した西川龍馬外野手の人的補償として、日高暖己投手(19)を獲得する意思をオリックスに通知したと発表した。
日高は22年ドラフト5位で富島高校(宮崎)から入団し、1年目の昨季は2軍で12試合(1先発)1勝1敗、防御率3・15だった。シーズン終了後の台湾でのウインターリーグでは、潜在能力の高さを示す投球を見せた。
球団幹部は「いい球を投げる。ローテーションをしっかりしないといけない。数はいくらでもいていい。強い球を投げられることはいいこと。若いし、まだまだスピードもアップすると思う」と高く評価した。
即戦力ではなく、次世代を担える素材を選択した。同期入団の斉藤とともに近い将来、先発ローテーションを形成できると期待している。
【評】広島が人的補償として高卒2年目の右腕、日高暖己を獲得すると発表しました。
今季は1年目から登板機会を与えられ、2軍で12試合1勝1敗、防御率3.15、9奪三振、1.20WHIPを記録。また昨年11月下旬からの台湾でのウインターリーグでは4試合0勝4敗、防御率3.50もCPBL選抜戦では5回1失点、社会人選抜戦では6回2失点と好投するなど、潜在能力の高さを示していました。
将来のローテーション候補として大きな可能性を持った選手と言えそうです。