2023年は立浪和義監督体制2年目のシーズンを迎えた中日ドラゴンズ。
躍進を目指したシーズンでしたが、5月23日時点で13勝27敗、借金14でリーグ最下位に低迷しています。
投手陣では大野雄大が左肘の手術で離脱し、ジャリエル・ロドリゲスはキューバから亡命したことが発覚。
野手陣ではダヤン・ビシエド、高橋周平の打撃不振に加えて、新外国人のアリスティデス・アキーノ、オルランド・カリステ、ソイロ・アルモンテが不発に終わり、全員が現時点では2軍へ降格。
4月中旬からは石川昂弥や新人の村松開人、福永裕基ら若手選手の積極的な起用を図っていますが、両リーグワーストとなる32失策を喫するなど、攻守ともに精彩を欠き、自力優勝消滅の可能性すら見えている厳しい状況です。
何としても巻き返さなければならない状況の中で5月24日、WBCパナマ代表でプレーし、今季ニューヨーク・メッツ3Aに在籍している右腕、ウンベルト・メヒア投手を獲得したと発表しました。
中日がウンベルト・メヒア投手の獲得を発表 「勝利に貢献できるよう頑張ります」(中日スポーツ)
中日は24日、ニューヨーク・メッツ傘下3A所属のウンベルト・メヒア投手(26)を獲得したことを発表した。
パナマ出身のメヒアは、193㎝、104kgと恵まれた体格から最速153キロの直球、カーブ、スライダー、チェンジアップを操る右腕。
今年3月に開催されたWBCでパナマ代表として出場した。台湾で開催された第1ラウンドでは、初戦のチャイニーズタイペイ戦で開幕投手を任され2イニング無失点。パナマは同ラウンドで敗退したが、メヒアは2試合に登板して計4イニングを無失点と好投した。
メヒアは球団を通じて「中日ドラゴンズと新たに契約できたこと、心よりうれしく思います。今年3月にはパナマ代表としてWBCに出場しました。くしくも予選で敗退したため、日本まで行くことは出来ませんでした。日本でプレーしたいという気持ちがあり、野球人生で新たに日本でプレーするチャンスをいただきました。ドラゴンズの勝利に貢献できるよう頑張ります」とコメントした。
今回は、中日が獲得を発表したウンベルト・メヒアについて紹介します。
メジャー通算8試合に登板 WBCパナマ代表では開幕投手を務めた長身右腕
ウンベルト・メヒアはパナマ共和国・パナマ市出身の26歳。右投げ右打ちの投手です。
2013年9月16日にインターナショナル・フリーエージェントでマイアミ・マーリンズと契約を結び、16歳でプロ入り。しかし翌年は肩の故障のためにプレーせずに、シーズンを終了。
2015年に傘下ルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・マーリンズでプロデビューを果たし、13試合3勝3敗、防御率1.69、71奪三振、0.96WHIPを記録した。
2016年はルーキー級・1A-でプレー。2球団合計で13試合4勝5敗、防御率2.90、49奪三振、1.17WHIPを記録した。
2017年は肩の故障でプレーする事はなく、シーズンを終えた。
2018年は1A-でプレー。15試合1勝6敗、防御率3.30、59奪三振、1.10WHIPを記録した。
2019年は1A・1A+でプレー。2球団合計で18試合5勝2敗1S、防御率2.09、89奪三振、0.90WHIPを記録。またオフには40人枠入りを果たした。
2020年8月7日にアクティブ・ロースターに昇格し、同日の試合でメジャーデビュー。
2020年8月31日に交換トレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍。移籍後はメジャーでの登板はなく、この年は3試合0勝2敗、防御率5.40、11奪三振、1.90WHIPを記録した。
2021年はメジャーで5試合0勝3敗、防御率7.25、20奪三振、1.84WHIPを記録した。
2022年4月7日にDFAとなり、3Aへ降格。3Aでは9試合1勝1敗、防御率9.60、6奪三振、1.93WHIPと結果を残せず、5月23日に自由契約となった。
2022年6月5日にメキシカンリーグのオアハカ・ウォーリアーズと契約。その後はグアダラハラ・マリアッチス、ティファナ・ブルズと渡り歩き、メキシカンリーグでは11試合3勝4敗、防御率5.90、45奪三振、1.43WHIPを記録した。
オフにはドミニカウインターリーグに参加し、10試合4勝3敗、防御率2.15、45奪三振、1.05WHIPを記録した。
2023年1月にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結んだ。また開幕前に第5回WBCパナマ代表に選出され、プールA・台湾との開幕戦に先発し、2回無失点と好投した。
シーズンでは8試合1勝3敗、防御率6.17、30奪三振、1.46WHIPを記録した。
シーズン成績
上記はウンベルト・メヒアのシーズン成績です。
メジャーでは2シーズンプレーした経験があり、通算で8試合0勝5敗、防御率6.68、31奪三振、1.86WHIPを記録しています。登板した8試合はいずれも先発としてマウンドに上がるなど、先発候補として期待されていた選手です。
3Aでは通算32試合9勝9敗、防御率6.21、99奪三振、1.56WHIPを記録。肩のケガや新型コロナの影響もあり、3Aでは3シーズンしか登板していませんが、こちらもキャリアの大半を先発として過ごしています。
また昨シーズン途中はメキシカンリーグでプレーし、その年のオフにはドミニカウインターリーグへ参加。ウインターリーグでは、10試合4勝3敗、防御率2.15、45奪三振、1.05WHIPと好成績を残しています。
奪三振率、与四球率ともにまずまずの内容を示しており、一定の期待は持てるのではないかと思われます。
多彩な球種を織り交ぜる投球スタイル 一方でストレートの被弾癖が気がかり
上記がウンベルト・メヒアの球種別成績です。
2021年の球種別の配球データを見ると、ストレート:42.3%、ツーシーム:20.9%、スライダー:17.3%、チェンジアップ:15.9%、カーブ:3.6%となっていて、ストレートを軸にツーシーム、スライダー、チェンジアップ、カーブを織り交ぜていくスタイルと言えそうです。
投球の軸としているのはストレートで、平均148.3キロ、最速154.1キロを計測しています。ただ2021年のデータでは平均球速、スピンレートともにMLBの平均を下回ると言うデータを残しています。
またMLBで浴びた被本塁打の全てがストレートを打たれたものであり、またストレートのコマンド力に課題があると言うデータもあり、ボールが真ん中に集まりやすい傾向にあるようです。
スライダー、チェンジアップ、カーブはずば抜けた評価はされていませんが、空振り率も良好な数値を残している点は評価できます。
多彩な球種を織り交ぜる投球スタイルであり、制球面の安定性を踏まえると引き出しの多さが光るのではないかと考えられます。
プレー映像
↑2023年のプレー映像
↑WBC・台湾戦での投球映像
投球フォームはテイクバックが独特で小さい印象。一方でオーバースロー気味から投げ下ろしてくるようなアームアングルを有していると言えます。
大柄ではありますが、投球自体は非常にまとまりがあり、カウントを整えて打ち取ると言うスタイルがしっかりできているという点も武器になりそうで、年齢も26歳と伸びしろも感じさせるなどさらに成長できる余地も感じさせられます。
外国人枠を考えてもロドリゲスの亡命により、マルティネスしか投手の外国人枠が使えておらず、先発もローテーション自体は枚数は揃っているものの、余裕があるわけではなく、中継ぎ陣も登板過多気味で支配下登録の投手の数を考えるとこれ以上の負担は今後を考えると非常に厳しいものもあります。
そういった中ではメヒアの加入が、チームの底上げにつながる可能性はありそうです。


