今回はプールBに属し、2013年大会優勝国。今大会の優勝候補筆頭にも挙げられるWBCドミニカ共和国代表について紹介します。
チームロースター
先発陣は、前年のサイヤング賞右腕を軸に、ベテランや期待の若手らで構成されている。
2022年ナ・リーグサイヤング賞右腕、サンディ・アルカンタラやアストロズのワールドシリーズ制覇に貢献した右腕、クリスチャン・ハビエル。またMLB通算143勝を挙げた変則フォーム右腕、ジョニー・クエトと昨年メジャーで5勝を挙げたトッププロスペクト右腕、ロアンシー・コントレラスが先発ローテを担うことが決定的だ。
ブルペン陣も屈指の実力者たちが揃った。
昨年28セーブを挙げ、サイド気味のフォームから100マイル超のストレートとスライダー、2シームを操るカミロ・ドバルやアストロズのワールドシリーズ制覇に貢献したラファエル・モンテロ、ヘクター・ネリス、ブライアン・アブレイユなど昨シーズン活躍を見せたリリーフ陣たちが集結している。
野手陣も豪華なメンバーが集結した。
昨年のナ・リーグMVP投票2位のマニー・マチャドや昨年のワールドシリーズMVPジェレミー・ペーニャ、MLB屈指の長打力とコンタクトスキルを併せ持つ主砲ラファエル・デバースと実力者が揃う。
またジーン・セグラ、ウィリー・アダムス、ケテル・マルテ、ワンダー・フランコらレギュラークラスの実力者も内野陣に揃っており、どのように使い分けても戦力が落ちることはなさそうだ。
外野陣も屈指の豪華さを誇り、抜群の打撃と屈指の選球眼を併せ持つフ打撃アン・ソトや昨年のア・リーグ新人王フリオ・ロドリゲス、シルバースラッガー賞2度受賞のテオスカー・ヘルナンデス、抜群の打撃ポテンシャルを秘めるエロイ・ヒメネスとこちらも誰が出ても戦える戦力となっている。
またWBC4大会連続出場、今チームの主将を担うロビンソン・カノーやGMとして選手招集に尽力し、通算459本塁打のスラッガー、ネルソン・クルーズと経験豊富なベテランも加わり、更に強固な団結力を生み出しそうだ。
2013年大会の王者であり、今大会は2度目の優勝を目指す中で現役選手であるネルソン・クルーズがGMに就任し、選手招集に奔走。当初発表された50人の予備ロースターは凄まじいメンバーが参加意思を表明し、クルーズが「良い意味で選手選考は悩んでいる」と発言するほどだった。
しかし当初予定していた選手全員の招集はかなわず、大会直前には21年ア・リーグ本塁打王ブラディミール・ゲレーロJr.も故障のため、辞退するなど惜しまれる点もある。
しかし現時点のメンバーはプールDのみならず、大会の優勝争いの最有力候補に挙げられるほどのメンバーが集結するなど、これも豊富で有望な選手たちが常に誕生するドミニカ共和国だからこそ出来る業だろう。
得点を挙げれば、ベンチから総出で出迎えるなど団結力は抜群であり、中南米系の人々が多く住むマイアミでの試合開催も後押しする事も確実だろう。
注目選手
サンディ・アルカンタラ 投手 マイアミ・マーリンズ
その年に最も活躍したア・リーグ、ナ・リーグの投手に贈られるサイ・ヤング賞。昨年ナ・リーグのサイヤング賞を受賞したサンディ・アルカンタラがドミニカ共和国のエースとして、WBCのマウンドに上がる。
昨年はまさにキャリア最高のシーズンとなった。3年連続開幕投手を務め、夏には2度目のオールスターゲーム選出を果たすと、最終的には32試合14勝9敗、防御率2.28、228.2イニング、207奪三振、6完投、1完封と軒並みリーグ上位の圧巻の投手成績を残し、オフのサイ・ヤング賞投票では満票で選出され、自身、マーリンズとっても史上初のサイ・ヤング賞受賞となった。
最速162キロ、平均157キロを計測するストレートとツーシームを軸に、スライダー、チェンジアップで奪三振を量産し、高いゴロ率を併せ持つなど、イニングイーターとしても抜群のスキルを併せ持っている。まさにMLB屈指の右腕と言える。
今年1月にはマイアミ市の名誉市民にも選ばれ、ドミニカ共和国が属するプールDはマイアミで戦いを続けるだけに、アルカンタラの投球がマイアミの人たちを熱狂させられるか注目だ。
フリオ・ロドリゲス 外野手 シアトル・マリナーズ
昨シーズン、21年ぶりのポストシーズン進出を果たしたシアトル・マリナーズ。その原動力となったのは、ア・リーグ新人王、シルバースラッガー賞を獲得した次世代のスーパースター、フリオ・ロドリゲスの活躍だ。
2017年、16歳で契約を結び、プロ入り。2019年のスプリングトレーニングではイチローから指導を受けるなど、2021年にはプロスペクトランキングで全体2位に選ばれるなど、まさに次世代のスターとしての道を進んでいた。
昨年は開幕戦で「7番・センター」で先発出場し、メジャーデビュー。夏場にはオールスターゲームに選出され、ホームランダービーでは準優勝と活躍。最終的には132試合打率.284、28本塁打、75打点、25盗塁、OPS.854と活躍し、新人王とシルバースラッガー賞のW受賞を達成。
デビュー年での25本塁打、25盗塁達成はMLB史上初、またルーキーの外野手によるシルバースラッガー賞はイチロー、マイク・トラウト、アーロン・ジャッジに次ぐ、4人目の快挙を成し遂げた。
そして8月にはシアトル・マリナーズと最大18年総額4億7000万ドル(634億5000万円)の契約延長に合意し、マリナーズだけではなく、MLBのスーパースターへの道を歩みだしたことは言うまでもない。
2021年には東京五輪に出場し、銅メダルを獲得しているがWBCについては「子供のころから夢だった。国中が背中を押して、声援を送ってくれるんだ。夢が現実になりそうだ。全力を尽くさなければ負けてしまう。明日勝てばいいではない、今勝つことだけが大事な大会なんだ」と強い意欲を示している。
ロドリゲスがWBCの舞台で、どのような姿を見せてくれるのか注目だ。
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