新庄剛志新監督が就任し、2022年シーズンに向けて大きな期待が膨らんでいる北海道日本ハムファイターズ。
今オフの外国人補強は、これまでになく早いペースで進行。先月5日にはメジャー通算56本塁打を放ったレナート・ヌニエス、今月6日にはメジャー通算20試合に登板したコディ・ポンセ、そして今月9日にはメジャー通算24勝を挙げたジョン・ガントの獲得が発表されるなど新監督就任のご祝儀と言わんばかりに補強が進んでいます。
残留を発表しているブライアン・ロドリゲス、王柏融を含めると外国人選手が5名という体制ではありますが、まだ外国人補強の終了はアナウンスされておらず、更なる補強の可能性も考えられていました。
そんな中で12月10日、メジャー通算11本塁打を記録し、今季サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下3Aでプレーし、17本塁打、52打点、OPS.923を記録したアリスメンディ・アルカンタラ内野手を獲得したと発表しました。
日本ハム、新助っ人アルカンタラ獲得 新庄監督「ヤクルトにいたホージーのよう」(Full-Count)
日本ハムは10日、前サンフランシスコ・ジャイアンツのアリスメンディ・アルカンタラ内野手と契約合意したと発表した。
メジャー通算167試合出場。今季はジャイアンツ傘下3Aでプレーし、71試合打率.280、17本塁打、52打点だった。
2008年にアマチュアFAでカブスに入団。2014年にメジャーデビューを果たし、70試合に出場。2017年はレッズで70試合に出場。その後はメキシコ、メッツ傘下、2021年はジャイアンツ傘下3Aでプレー。二塁、三塁、遊撃、外野でプレーしており、ユーティリティ性を備える内野手だ。
新庄監督は「第1印象は、デュウェイン・ホージー(元ヤクルト)かな。打ち方、ちょっと似てない? アメリカでは三振が多いけど、全然そんなふうに見えないんだよね。ホームランも打つけど、二塁打とかをちゃんと稼いでいくタイプかも。少し前までは盗塁も結構していたし、日本ではガンガン走ってほしいな。両打ちというのは面白い。左打席の方がしっくりきているのかな。何より大きいのは、ショートやセカンドも守れること。守りをおろそかにしないバッターは『今のファイターズに欲しい野手ランキング』の上位にいけるもんね! 彼が早く日本の野球に慣れるよう、手助けすることがBIG BOSS の仕事。楽しみでしかない!」とコメントし、大きな期待を寄せた。
アルカンタラも「日本で野球ができることが決まり、本当にうれしいです。新たな挑戦の場を与えてくれた北海道日本ハムファイターズに感謝します。野球のみならず、異国の地での全ての経験を楽しみたいと思っています。これまで培ってきた経験を活かし、力を発揮できるよう、今からしっかり準備をしていきます。必ずファイターズの勝利に貢献しますので、応援よろしくお願いします」と球団を通じてコメントした。
今回は、日本ハムが獲得を発表したアリスメンディ・アルカンタラについて紹介します。
カブス時代にはプロスペクトとして高評価 今季は3Aで自己最多の17本塁打をマーク
アリスメンディ・アルカンタラはドミニカ共和国・サントドミンゴ出身の30歳。右投両打のユーティリティー(二塁/三塁/遊撃/外野)です。
2008年11月3日にシカゴ・カブスと契約を結び、プロ入り。
2009年に傘下ルーキー級の球団でプロデビュー。65試合打率.275、3本塁打、32打点、20盗塁を記録した。
2010年は1A-でプレー。59試合に出場して、打率.283、3本塁打、24打点、7盗塁を記録した。
2011年は1Aでプレー。99試合に出場して、打率.271、2本塁打、37打点、8盗塁を記録した。
2012年は1A+でプレー。85試合に出場して、打率.302、7本塁打、51打点、25盗塁を記録した。
2013年は2Aでプレー。133試合に出場して、打率.271、15本塁打、69打点、31盗塁を記録し、7月にはオールスター・フューチャーズゲームの世界選抜に選出。オフには40人枠入りし、「ベースボールアメリカ」の球団内プロスペクトランキング第10位にランクインした。
2014年は3Aで開幕を迎え、89試合打率.307、10本塁打、41打点、21盗塁と結果を残すと、7月9日にメジャー昇格。同日の試合で「2番・セカンド」でメジャー初出場、初先発を記録。この年はメジャーで70試合打率.205、10本塁打、29打点、9盗塁、OPS.621を記録した。
2015年はメジャーで11試合打率.077、1打点、1盗塁、OPS.303と結果を残せなかった。3Aでは120試合打率.231、12本塁打、36打点、16盗塁を記録した。
2016年6月9日に交換トレードでオークランド・アスレチックスへ移籍。移籍後はメジャーで16試合打率.211、3打点、3盗塁を記録。オフの10月6日にウェイバーでシンシナティ・レッズへ移籍した。
2017年はメジャーで70試合打率.171、1本塁打、7打点、2盗塁、OPS.435と結果を残せず、8月にDFAになるとマイナー契約で2Aに降格し、シーズンを終えた。オフの11月6日にFAとなった。
2018年はメキシカンリーグへ移籍。3球団でプレーし、合計で107試合打率.279、18本塁打、72打点、18盗塁、OPS.812を記録した。
2019年1月にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結んだ。3Aで92試合打率.294、13本塁打、48打点、16盗塁、OPS.866を記録。
オフの11月4日にFAとなり、同月25日にロサンゼルス・エンゼルスとマイナー契約を結んだ。
2020年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグの開催が中止となり、メジャーに昇格する事もなかったため、公式戦の出場はなかった。
2021年1月にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだ。3Aで71試合打率.280、17本塁打、52打点、2盗塁、OPS.923を記録した。
成績
上記はアリスメンディ・アルカンタラのMLB/3Aのシーズン成績です。
メジャー通算4年間で167試合に出場し、打率.189、11本塁打、39打点、14盗塁、OPS.550を記録。
カブス時代には2013年~2014年にアメリカでも権威あるスポーツ誌でもある「ベースボールアメリカ」の球団内プロスペクトランキングで2年連続トップ10入り。このランキングでは現在メジャー屈指の選手となったハビアー・バイエズやクリス・ブライアントらも名を連ねており、将来を嘱望された選手だったと言え、メジャー1年目には10本塁打を記録するなど可能性を示していたともいえます。
しかし2年目以降は荒々しい打撃スタイルの影響もあってか、成績は低迷。2017年以降は残念ながらメジャーに昇格することは出来ていません。
今季は3Aで17本塁打、52打点、OPS.923とキャリアを通して過去最高の成績を残しました。ただ3Aでは2019年から使用球変更により、打者成績が伸びやすい傾向にあるため、本質的にパワーヒッターかは疑問符はつきますが、パンチ力には期待は出来るでしょう。
スピード面に関しては、2017年に記録したSprintSpeedがMLB全体で97パーセンタイルに入るなど、評価が高く、3Aでも毎年2桁盗塁を記録していました。
しかし今季は2盗塁と激減しており、プレースタイルを変化させた可能性もありそうです。
MLBレベルの変化球に苦戦していた傾向があり、ゾーン管理にも課題
上記はアリスメンディ・アルカンタラの球種別打撃成績/打撃傾向です。
まず球種別成績ですが、ストレート系、チェンジアップに対しては長打が出ているという傾向にありますが、それ以外の変化球に対する成績は厳しい数字が並んでおり、メジャー定着を阻んだ原因として考えられる部分です。
3Aでは一定の成績を残せているため、全くは打てないという域ではないと思われますが、NPBの投手相手にどこまで対応、適応できるかというのが課題となりそうです。
またゾーン管理という面においてもメジャーレベルでは大きな課題があったと言えそうです。
まずChase%ですが、通算36.1%と非常に高い数字でボールゾーンに来たボールに対してスイングをしていることになります。NPBではボールゾーンを活用した配球も多く、この傾向が強いと苦戦する可能性はあると言えます。
またWhiff%も30%を超えているなど、コンタクト能力も課題が残る印象です。
身体能力を生かした内外野をこなすユーティリティープレイヤー
上記はアリスメンディ・アルカンタラの守備成績です
今季の3Aでは遊撃32試合(255.0イニング/3失策)、二塁15試合(107.2イニング/3失策)、三塁9試合(71.2イニング/4失策)、右翼5試合(31.0イニング/0失策)、左翼3試合(26.0イニング/0失策)、中堅1試合(6.0イニング/0失策)を記録していて、基本的には二遊間がメインポジションです。
メジャー1年目は中堅、二塁をこなし、両方で守備防御点(DRS)がプラスの数値を記録していました。また守備範囲を示すRngRも数値が高くなっていて、自慢の脚力を生かしていると言えそうです。
どのポジションでも一定の評価を得られているというのは、層が薄いポジションを幅広くカバーできる可能性があり、二遊間のデプスが薄いチーム状況とフィットしそうです。
プレー映像
↑3AでのHR集
↑打撃/走塁集
映像を見るとスイングはコンパクトではありますが、シャープさがある印象です。
今季の3Aにおける対左右別対戦成績ですか
対右 63試合打率.292(161-47)、15本塁打、41打点、57三振、出塁率.341、長打率.658、OPS.999
対左 48試合打率.254(71-18)、2本塁打、11打点、25三振、出塁率.329、長打率.423、OPS.752
と左打席のほうが長打が出ていている傾向にあり、右打席ではやや力を発揮できていないという印象です。
複数ポジションがこなせる身体能力があり、チーム状況に合わせて様々な起用法が考えられるというのは大きいポイントであり、三振数の多さはありますが、パンチ力がある打撃は打線に厚みを持たせることが出来るのは大きな魅力で、どのような活躍が出来るのか注目したいところです。



