2020年はリーグ3連覇を逃し、4位に沈んだ埼玉西武ライオンズ
今オフはコロナ過という厳しい情勢も重なった事で、ドラフト以外の補強は日本ハムから金銭トレードで吉川光夫を獲得するに留まり、外国人選手に関してもニール、ギャレット、メヒア、スパンジェンバーグの残留が決定するも、2021年も継続する外国人枠「5」を12球団では唯一満たしていない状況でした。
そんな中で、2020年はシカゴ・カブスでプレーし、メジャー通算2勝を挙げた経験を持つマット・ダーモディ投手を獲得したと発表しました。
西武、元カブス左腕・ダーモディ入団を発表 渡辺GM「左の先発投手として期待」(スポニチ)
西武は21日、元カブスのマット・ダーモディ投手(30)の入団を発表。背番号は98に決まった。
1メートル96、102キロの大型左腕はメジャー通算29試合に登板し、2勝0敗、防御率5・13。
マイナー通算178試合に登板しており「埼玉西武ライオンズの一員になることができて大変光栄です。最大の目標は、ライオンズが日本一を勝ち取れるようチームに貢献することです!」と意気込んだ。
渡辺GMは「球が強いのが特徴で、かつ日本の野球にアジャストしそうなタイプです。リリーフでも実績はありますが、左の先発投手として期待しています」とコメントした。
今回は、西武が獲得を発表したマット・ダーモディ投手について紹介します。
4度のドラフト指名を受けた苦労人 20年シーズンは独立Lからメジャーの舞台に
マット・ダーモディはアメリカ合衆国・アイオワ州出身の30歳 左投右打の投手です。
2009年にパイレーツ、2011年にロッキーズからドラフト指名を受けるも入団せず、2012年にダイヤモンドバックスから指名を受けたが、メディカルチェックで肘の異常があるとして、交渉は破談。
2013年にトロント・ブルージェイズから28巡目(全体835位)で指名され、プロ入り。契約後にルーキーリーグでデビューを果たすと、1A-に昇格。2球団合計で16試合5勝1敗、防御率1.66、51奪三振を記録した。
2014年は1Aでプレーし、27試合4勝6敗、防御率4.69、65奪三振を記録した。
2015年は1A+でプレーし、35試合4勝1敗1セーブ、防御率4.21、62奪三振を記録した。
2016年は1A+、2A、3Aの3球団で47試合3勝1敗3セーブ、防御率1.82、47奪三振を記録すると9月1日にメジャー契約を結び、メジャーデビュー。メジャーでは5試合0勝0敗、防御率12.00、5奪三振を記録した。
2017年はメジャーで23試合2勝0敗、防御率4.43、15奪三振を記録した。
2018年は開幕直前にDFAとなり、3Aに降格。3Aでは5試合0勝0敗、防御率7.20、6奪三振を記録したが5月にトミージョン手術を受け、残りシーズンを全休した。
2019年は6月に3Aで実戦復帰。15試合2勝1敗、防御率5.48、23奪三振を記録したが、オフの11月4日にFAとなった。
2020年は3月に米独立リーグのシュガーランド・スキーターズと契約。スキーターズでは5試合3勝0敗、防御率0.52、23奪三振と好成績を残すと、8月1日にシカゴ・カブスとマイナー契約を結んだ。
9月6日にメジャー契約を結び、同日の試合に登板。1イニングを投げ、無失点に抑えたが、翌日には別の選手の加入に伴い、DFAとなり、マイナー契約へ切り替え。9月28日にはFAとなった。
成績で読み解く
上記はマット・ダーモディのMLB、3Aでのシーズン成績です。
メジャーでのキャリアハイのシーズンとなったのは2017年。23試合に登板し、メジャー初勝利を含む、2勝を挙げています。
しかし翌年には開幕直前にDFAとなり、3Aに降格。また5月に左肘のトミージョン手術を受け、翌年には実戦復帰しましたが、これ以降はメジャーのマウンドから離れていました。
2020年は独立リーグでの好投が評価され、カブスと契約。3年ぶりのメジャー復帰を果たしました。
特に評価したいのはBB/9の数字。2017年のメジャーで2.01BB/9。22.1回を投げて、5四球と安定しています。3Aでも2018年を除けば、いずれも2点台で2019年に関しては1.17BB/9と非常に安定した制球力を有していると言えます。
スライダー、速球(フォーシーム、ツーシーム)が主体 トミージョン手術後球速upの傾向
上記はマット・ダーモディのMLBでの球種別成績です。
基本的にはスライダー、ツーシーム、ストレートの3球種が主体で、チェンジアップは交える程度の使用頻度と言えます。
2020年も1イニングの登板だったこともあり、データが乏しい状況ではありますが、ストレートに関しては最速153.3キロ、平均152.4キロと少ないサンプルとはいえ、球速アップを果たしています。
トミージョン手術を受けた投手はトレーニング方法の見直しや改善を図る中で、球速アップに成功するケースも見られており、ダーモディの球速upがこういった副産物によって起きたことであれば、パワー型左腕ながらも制球力を有した選手になり得そうです。
一方で渡辺久信GMが「先発として期待」と発言していますが、球種が乏しい印象で、チェンジアップの使用頻度を上げていけるかがカギとなりそうです。
映像で見る
2020年の投球映像
2020年の球種別投球映像
映像を見ると、投球フォームはスリークォーター気味でテイクバックが独特な動きでなおかつ小さく感じさせます。またリリースポイントが打者からはやや見えづらいような印象を感じさせます。
球種を見ると、ストレートは152キロを計測し、スライダーも140キロ目前の球速が出ていてなおかつカクっと曲がるような軌道のボールも見受けられるなど、面白い存在だと言えます。
一方でやはり先発として考えると球種が乏しい印象で、クイックなどもどこまで出来るのかも不透明な部分を感じさせますが、どのような結果を残せるか注目です。


