2019年シーズンは投打がかみ合わずに、最下位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ
来季から高津臣吾新監督を据え、最下位からの脱却を目指すシーズンを迎えます。オフシーズンの補強は明確で投手を中心としたディフェンス力強化を進めています
ドラフトでは奥川恭伸を含め投手4名を獲得するなどディフェンス面強化を図っています。しかしセンターライン強化を図る上で欠かせないのは、正遊撃手問題です
今季は西浦、太田、廣岡が主に担いましたが、西浦が故障で長期離脱。太田は村上が一塁に回った関係で三塁に固定。廣岡も10本塁打、25打点とキャリアハイを記録も打率.203と課題は多い印象です。
そんな中で10月30日、ヤクルトはメジャー通算1437試合出場、15年にロイヤルズでワールドシリーズ制覇、ゴールドグラブ賞、今シーズンはホワイトソックス傘下に所属していたアルシデス・エスコバー内野手を獲得したと発表しました
ヤクルト新助っ人エスコバー獲得、2014年青木宣親と同僚(日刊スポーツ)
ヤクルトは30日、前ホワイトソックス3Aのアルシデス・エスコバー内野手(32)を獲得したと発表した。
エスコバーはベネズエラ出身で、メジャー通算1437試合に出場し、打率2割5分8厘、41本塁打、442打点をマーク。
ロイヤルズ時代の15年にはオールスターに選出され、ゴールドグラブ賞を獲得。球団30年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献し、リーグ優勝決定シリーズでは6試合で11安打を放ってMVPに選ばれた。
前年の14年には当時ロイヤルズだった青木宣親外野手とともにプレーした。
球団を通じ「このたび、スワローズから日本でプレーできる機会をいただき、私も家族も大変うれしく思っています。次のキャリアステップとして新たなチャレンジに挑むことを非常に楽しみにしています。既に来季に向けたトレーニングを開始しており、ファンの皆様の期待に応えられるよう頑張ります」とコメントした。背番号は2。
今回は、ヤクルトが獲得した新外国人選手アルシデス・エスコバー内野手について書いていきます
メジャー通算1367安打 15年ゴールドグラブ賞受賞 走攻守が揃う遊撃手
アルシデス・エスコバーはベネズエラ出身の32歳で右投右打の内野手です。DeNAのエドウィン・エスコバーとはいとこです。
2003年7月9日に16歳でミルウォーキー・ブルワーズとドラフト外で契約。2007年には1A+と2Aで合計125試合打率.306、22盗塁の活躍で、1A+と2Aの双方のオールスターゲームに出場。
2008年は2Aで131試合打率.328、34盗塁、出塁率.363と好成績を残すと、9月1日にメジャー初昇格。同月3日のメッツ戦で途中出場により、デビュー。またその後の初打席でメジャー初安打を記録。
2009年は3Aに初昇格。109試合打率.298、10本塁打、70打点、10盗塁、出塁率.353を記録し、メジャーでは38試合打率.304、1本塁打、11打点を記録。
2010年は正遊撃手の移籍、ベテラン選手の衰えなどでショートのレギュラーに定着。145試合打率.235、4本塁打、41打点、出塁率.288を記録。またオフに交換トレードでカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した
2011年は158試合打率.254、4本塁打、41打点、出塁率.290を記録。守備面では459捕殺(リーグ1位)、271刺殺(リーグ1位)、守備率.980(リーグ4位)と高い守備能力を示した。
2012年は開幕前に4年1050万ドル(2016年、2017年の球団側選択オプション付き)で契約を結んだ。シーズンでは155試合打率.293、5本塁打、52打点、35盗塁、出塁率.331を記録。守備では408捕殺、242刺殺、守備率.972を記録。
2013年は打撃不振に苦しみ、158試合打率.234、4本塁打、52打点、22盗塁、出塁率.259と成績は低下。しかし守備では395捕殺、222刺殺、守備率.979とリーグ上位の守備成績を記録した。
2014年はレギュラーシーズンとポストシーズン全試合でスタメン出場を果たし、チームのワールドシリーズ進出に大きく貢献。162試合打率.285、3本塁打、50打点、31盗塁、出塁率.317を記録し、守備では440捕殺、213刺殺、守備率.976と好成績。この年のオフに日米野球のMLB選抜として来日している。
2015年も不動の1番として定着するとオールスターゲームにファン投票で初選出。シーズンでは148試合打率.257、3本塁打、47打点、17盗塁、出塁率.293を記録。守備では417捕殺、217刺殺、守備率.980の活躍で初のゴールドグラブ賞を受賞。
またポストシーズンでも活躍し、リーグチャンピオンシップシリーズでは打率.478(23-11)、5打点でMVPを受賞。ワールドシリーズでは第1戦でシリーズ86年ぶりとなるランニングホームランを記録した。
2016年は2年ぶりに162試合にフル出場。打率.261、7本塁打、55打点、17盗塁、出塁率.292と本塁打と打点では自己ベストの成績を残した。
2017年は第4回WBCベネズエラ代表に選出。162試合打率.250、6本塁打、54打点、4盗塁、出塁率.272を記録。オフにFAとなるも、翌年1月に再契約を結んだ。
2018年は140試合打率.231、4本塁打、34打点、8盗塁、出塁率.279を記録し、守備ではショートのほかにもセカンドで3試合、サードで29試合、外野手(センター)で6試合に出場した。オフにFAとなった。
2019年は2月にボルティモア・オリオールズとマイナー契約を結んだが、3月21日に自由契約となると、翌日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ。
開幕を3Aで迎えると、96試合打率.286、10本塁打、70打点、6盗塁、出塁率.343を記録し、守備では若手選手との併用でショートでは49試合、サードでは41試合に出場。しかし8月2日に自由契約となるとその後は他球団でプレーすることなく、シーズンを終えた。
守備位置メジャー通算1437試合のうち、1386試合をショートとしてプレー。2018年はUZR-1.6、DRS-12と全盛期に比べれば落ちてはいますが、現状でも十分ショートをこなせる力はあります。
また2018年からはセカンド、サード、センターの守備に就いており、2019年は3Aで三塁手としてもプレー機会が増えており、状況次第ではサードを守る可能性もあるといえそうです
成績で読み解く
上記がアルシデス・エスコバーのメジャー・3Aでの打撃成績です
2010年から2018年まで8年に渡ってショートのレギュラーで活躍を続けた事やワールドシリーズ制覇やゴールドグラブ賞というキャリアは、ここ数年の外国人選手の中でも大物と言えるかもしれません
一方で打撃成績を見ていくと、メジャーでは2桁本塁打は0で出塁率も高い訳ではありません。2019年の3A(IL)は使用球の変更により打高傾向にあるため、打率、本塁打、打点共にメジャーよりも数字が上がってしまっているため、鵜呑みには出来ませんが、メジャー時代から明らかに劣化している訳ではないため、そこまで不安視する必要はなさそうです
盗塁数も2014年の31盗塁以降は年々減少傾向にありますが、成功率自体は高く、2019年も8回試み、6回は成功しています。走力に関してもスピード自体はMLB平均以上というデータも残っていますし、ベースランニングは非常に俊敏という印象です
エスコバーを支える守備能力は・・・
ショートというポジション上2桁失策というのは仕方ない部分もありますが、それであっても守備率自体は2011年以降.970を下回る事はなく、安定しているという印象です
またダブルプレイに関わった数は80~90台後半と非常に数が多くなっていて、ヤクルトでは山田哲人との二遊間コンビでこの数を増やしていけるか注目です
一方で守備防御点やUZR/150はマイナスの数字が多くなっています。年齢を重ねていくうちにある程度の劣化というのは起きている事は事実ですし、ロイヤルズ時代は一塁に守備力の高い選手がいた事でショートバウンド送球など処理してもらえたという点もあります
しかし年間通してフル出場、1400イニング近く守備に就ける耐久力というのは大きな魅力であり、レギュラーの固定がなかなか難しかったヤクルトでは大きなプラス材料といえそうです
映像で見る
エスコバーの打撃を見ると、引っ張り傾向の強い選手であることが分かります。
ホームランの飛距離自体は出ていますし、神宮球場を考えれば、本数はMLBの時よりは増える可能性は十分ありますが、しかし長打力を求められているタイプではないという点は抑えておかなければなりません。
三振率も通算17%とコンタクト力には長けていますが、出塁率は低く、早打ちの傾向が強い選手です。過去は1番も打っていましたが、下位打線である程度自由に打たせていく方が良いかもしれません
守備に関しては肩の強さに関しては圧巻の一言です。深い位置からのジャンピングスローや膝をついてのスローイングなどNPBではなかなか見ることのできないプレーを見せてくれることは確実です
一方でショートバウンドになるケースも多くなっています。ヤクルトが誰をファーストに据えるかという点もエスコバーの守備を引き出す重要な要素といえます


