今シーズンはリーグ最下位に沈み、平石洋介監督代行が監督に昇格し、石井一久GMの下で今オフは積極的な補強を続けている東北楽天ゴールデンイーグルス
リリーフ陣を見ると、松井が不調で苦しみ、ハーマン、高梨、宋家豪らが奮闘を見せたものの、陣容が固まらずに苦しんだ印象です
そんな中で12月3日に東北楽天ゴールデンイーグルスが、MLB・ツインズで今季23試合に登板したアラン・ブセニッツ投手を獲得したと発表しました
楽天は3日、ツインズからFAとなった右腕アラン・ブセニッツ投手(28)と契約に合意したことを発表した。
ブセニッツは13年ドラフト25巡目でエンゼルスから指名を受けプロ入り。17年6月17日にツインズでメジャー初昇格を果たし、同年は28試合1勝1敗、防御率1.99。今季は救援として23試合4勝1敗、防御率7.82だった。
ブセニッツは「私と家族は、私の人生と野球人生における新たな1ページを楽天イーグルスの一員として始められることに大変ワクワクしております。今月、初めての子どもを授かるにあたり、19シーズンは家族みんなで仙台に来ることを計画しており、楽天イーグルスで野球ができることを心から感謝しております。新たな優勝に向けて、その一助となれるようベストを尽くすとともに、ファンの皆さまやチームメートと会うことを楽しみにしております」と球団を通じてコメント。
石井GMも「ブセニッツ選手は、抑え候補としてリストアップしていた選手です。投球はもちろんですが、調査していくうえで、ブセニッツ選手の性格や野球に対する取り組む姿勢、そして楽天イーグルスで絶対成功を収めたいという向上心を確認することができました。19年、「RESTART!」する楽天イーグルスに頼もしい仲間が加わりました」とコメントした。
今回は、楽天が獲得を発表したアラン・ブセニッツ投手について書いていきます
メジャー通算で51試合に登板 力強いストレートが魅力のリリーフ右腕
アラン・ブセニッツは、アメリカ・ジョージア州出身の28歳
右投右打の投手です
2013年のMLBドラフト25巡目(全体757位)でロサンゼルス・エンゼルスから指名され、入団。
2016年に3Aに初昇格すると、10試合0勝1敗、防御率7.62を記録し、8月1日に交換トレードでミネソタ・ツインズへ移籍し、ツインズ傘下3Aで、6試合2勝0敗1S、防御率3.52を記録し、2球団合計で16試合2勝1敗1S、防御率6.09を記録
2017年は3Aで開幕を迎えると、6月17日にメジャー契約を結び、同日のインディアンス戦でメジャーデビューし、2回を投げて、2安打1失点2三振を記録。この年はメジャーで28試合1勝1敗、防御率1.99、3Aでは24試合3勝0敗2S、防御率1.78と1年通して好調ぶりを見せた
2018年はメジャーでは23試合4勝1敗、防御率7.82と結果を残せなかったものの、3Aでは27試合2勝3敗7S、防御率2.48と2年続けて3Aで好成績を残しています
球種に関してはMLBでの通算データを見ると
平均95.5マイル(約153.6キロ)のストレート 655球
平均82.9マイル(約133.4キロ)のカーブ 310球
平均90.1マイル(約145.0キロ)のチェンジアップ 11球
上記の3球種を投じていて、特にストレートは平均球速が150キロと超えていて、回転数が多く、2018年のSwStr%(スイングストライク率)は11.3%を記録していて質が高いことを示しています
成績
MLB
17年 28試合1勝1敗 防御率1.99 31.2回 被安打22 9四球 23奪三振 6.3H/9 1.1HR/9 2.6BB/9 6.5SO/9
18年 23試合4勝1敗 防御率7.82 25.1回 被安打37 14四球 26奪三振 13.1H/9 2.8HR/9 5.0BB/9 9.2SO/9
通算 51試合5勝2敗 防御率4.58 57.0回 被安打59 23四球 49奪三振 9.3H/9 1.9HR/9 3.6BB/9 7.7SO/9
3A
16年 16試合2勝1敗1S 防御率6.09 20.2回 被安打23 9四球 18奪三振 10.2H/9 0.4HR/9 4.0BB/9 8.0SO/9
LAA 10試合0勝1敗 防御率7.62 13.0回 被安打16 5四球 13奪三振 11.0H/9 0.6HR/9 3.5BB/9 9.0SO/9 (PCL)
MIN 6試合2勝0敗1S 防御率3.52 7.2回 被安打8 4四球 5奪三振 10.0H/9 0.0HR/9 5.0BB/9 6.3SO/9 (IL)
17年 24試合3勝0敗2S 防御率1.78 35.1回 被安打19 10四球 39奪三振 4.8H/9 0.0HR/9 2.5BB/9 9.9SO/9 (IL)
18年 27試合2勝3敗7S 防御率2.48 40.0回 被安打32 8四球 45奪三振 7.2H/9 0.7HR/9 1.8BB/9 10.1SO/9 (IL)
通算 67試合7勝4敗9S 防御率3.00 96.0回 被安打75 27四球 102奪三振 7.0H/9 0.4HR/9 2.5BB/9 9.6SO/9
データでも証明されているストレートの力強さ
アラン・ブセニッツの特徴ともいえるのは、ストレートの力強さです
平均球速95.5マイル(約153.6キロ)を叩き出し、今シーズンのMLBでの最速98.5マイル(約158.5キロ)、最低速度91.9マイル(約147.9キロ)ですから、常時力強いストレートを投じることができるとわかります
またスタットキャストでもストレートの質の良さが証明されていて、ストレートのスピンレート(回転数)が2488回転と平均的なストレートの数値を超えています
SwStr%(スイングストライク率)が高いのも、スピンレートが高いことでボールがホップしているために空振りが増えているのだと思います
またこの球威もあってか、被本塁打率もキャリア通じて非常に少なく、リリーフとして良質な結果を出せる可能性があります
気がかりな変化球の乏しさ
アラン・ブセニッツの気がかりな点を挙げると、変化球の乏しさです
まずブセニッツのMLB通算球種別被打率を見ると
FA 打率.293(140-41) 8本塁打 20四球 30奪三振 655球
CU 打率.231(65-15) 4本塁打 1四球 15奪三振 310球
CH 打率.000(2-0) 0本塁打 1四球 1三振 11球
FA→ストレート CU→カーブ CH→チェンジアップ
基本的に投球の7割はストレート、3割はカーブというほぼ2球種しか投げていない事になります
カーブは縦に落ちる変化を見せているのですが、カーブのSwing%が通算34.5%とそこまで高くない印象で、カウントを稼ぐボールとしては効果を発揮しているかは微妙です
こうなるともう少しチェンジアップを使えるようになって、カウントを稼いだりできるようにならないと配球が単調になってしまい、ストレートを狙われてしまう危険性があります
球威のあるストレートを生かすためにもストライクゾーンの高低やボールの緩急をうまく使いこなす様にしていきたいところです
映像で見る
アラン・ブセニッツの投球映像
投球フォームを見るとスリークォーター気味のフォームをしています。ここ数年スリークォーター系投手が苦戦している傾向があり、ボールに角度がないのはやや気になるところです
一方でストレートの勢いはNPBで十分押し切れるでしょうが、カーブの精度を高めつつ、もう1球種磨くことができれば、さらに一段上のリリーフ投手になる可能性を秘めています
