2018年シーズンは4年ぶりのAクラスを目指したものの、4位に沈んだオリックスバファローズ
2年間監督を務めた福良淳一監督が退任し、2019年からは西村徳文ヘッドコーチが監督に昇格し、チーム再建を目指す事になります
そんな中で、10月29日にオリックスが新外国人選手として今季フィリーズ3Aで本塁打王、打点王に輝いたジョーイ・メネセス内野手の獲得を発表しました
【オリックス】米大リーグ3Aで本塁打&打点の2冠王メネセスの獲得を発表
オリックスは29日、米大リーグ、フィリーズ傘下3Aのジョーイ・メネセス内野手(26)を獲得したと発表した。
単年契約で年俸は1億円(推定)。
右の長距離砲のメネセスは今季、3Aで主に一塁、外野を守り、130試合に出場。打率.311がリーグ2位、23本塁打、82打点で2冠を獲得し、3Aインターナショナルリーグ(IL)のMVP、新人王に輝いた。
長村球団本部長は「長打力も期待できるし、3Aでも3割も打っている。クリーンアップの一角で打ってくれれば」と話した。
今回は、オリックスが獲得を発表したジョーイ・メネセス内野手について書いていきます
2018年シーズンに打撃が開花した右の強打者
ジョーイ・メネセスは、メキシコ出身の26歳。右投右打の一塁手です
2011年にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結び、入団。
1年ずつマイナー各クラスを昇格していくと、2016年に2Aに初昇格し、63試合打率.234、2本塁打、15打点を記録
2017年は、1年通じて2Aでプレーすると、108試合打率.292、9本塁打、45打点を記録したものの、11月にフリーエージェントとなり、退団
2018年2月にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び、初めて3Aのシーズンを迎えた
1年間通して安定した活躍を見せると130試合打率.311、23本塁打、82打点という大活躍を見せ、打率はリーグ2位、本塁打、打点ではリーグ1位の記録を残し、MVP、新人王を獲得するなど一気に覚醒を遂げた
残念ながらメジャー昇格を果たせず、今月20日には地元メキシコメディアが「ジョーイ・メネセスが日本球界へ移籍する」と報じ、日本メディアも相次いで報道され、その動向が注目を集めていました
守備位置は、2018年はファーストとライトを守っており、どちらも安定してこなしている数字が出ていますが、マイナー通算での盗塁数は9とそこまで走力はなく、守備範囲はそこまで大きくない可能性が高そうです
成績で読み解く
11年 19試合 打率.206(63-13) 0本塁打 4打点 7四球 14三振 (FRk)
12年 41試合 打率.303(145-44) 0本塁打 14打点 9四球 23三振 (Rk)
13年 108試合 打率.257(381‐98) 2本塁打 40打点 28四球 97三振 (1A)
14年 62試合 打率.288(226-65) 8本塁打 33打点 22四球 48三振 (1A‐Rk)
15年 113試合 打率.239(394-94) 3本塁打 31打点 32四球 80三振 (1A+)
16年 129試合 打率.290(465-130) 7本塁打 46打点 39四球 70三振 (1A+‐2A)
17年 108試合 打率.292(360-105) 9本塁打 45打点 38四球 81三振 (2A)
18年 130試合 打率.311(492-153) 23本塁打 82打点 40四球 110三振 (3A)
上記がジョーイ・メネセスのマイナーリーグでの成績です
過去の成績を見ると、ホームランは一度も2桁に到達した事はなく、打率は280~290台、三振率も20%前後と中距離打者タイプという事がわかります
しかしそんなメネセスが初昇格となった3Aのシーズンで自己最高の成績を残すという凄まじい変化を遂げています
メネセスが自身の打撃スタイルを大きな変化させた可能性
突如として数字が飛躍を遂げた事を踏まえるとメネセス自身が打撃スタイルを変えた可能性があります
データサイト「fangraphs」のBattedBall(ゴロやフライの個数や割合を計算した統計データ)を見ると
GB%(打球に占めるゴロ比率)、FB%(打球に占めるフライ比率)、GB/FB(ゴロ・フライ比率)、HR/FB(本塁打・フライ比率)の4つのデータに変化が見られます
GB% (コンパクトヒッターは数値が高い傾向に)
11年 56.3%
12年 48.2%
13年 49.1%
14年 47.2%
15年 58.2%
16年 52.0%
17年 54.6%
18年 44.7%
FB% (パワーヒッターは数値が高い傾向に)
11年 35.4%
12年 28.2%
13年 28.3%
14年 31.3%
15年 25.7%
16年 25.7%
17年 23.7%
18年 32.9%
GB/FB (同数なら1 数値が大きいほどゴロが多く、数値が小さく0に近づくほどフライが多い)
11年 1.59
12年 1.71
13年 1.74
14年 1.51
15年 2.26
16年 2.02
17年 2.26
18年 1.36
HR/FB (比率が高くなるほどフライが本塁打になりやすい)
11年 0.0%
12年 0.0%
13年 2.5%
14年 15.7%
15年 3.8%
16年 8.6%
17年 13.8%
18年 18.4%
上記のデータを見ればわかりますが、メネセスは2018年に入り、GB%が減った一方で、FB%とGB/FBはフライの打球が増えている事を示していて、HR/FBはフライを打つとホームランになりやすくなったという傾向にあります
近年MLBでは「フライボール・レボリューション」というボールの下を叩くことでスピンをかけてボールを浮揚させる力を強めて、長打を増やすという新しい理論が定説され、J.D.マルティネス、ジャスティン・ターナー、ジョシュ・ドナルドソンと言ったMLBを代表する打者が取り入れてから大きな成功をおさめ、日本では山田哲人がこの技術に磨きをかけた事で体格の良いパワーヒッターを上回る本塁打数を記録できているとされています
メネセスの劇的な変化にもこの理論を導入したのではないか?という印象があります
過去の成功例と同じ成長曲線を描くセ本塁打王の姿をメネセスに見たオリックス
オリックスが、メジャー経験もなく3Aでいきなり大活躍したメネセス獲得に踏み切ったのはロメロ、マレーロと似た選手タイプである事と、来日1年目でセリーグ本塁打王となったソトと似た成長曲線を描いている事でしょう
ロメロ 打率.304、21本塁打、85打点、三振率14.5% (PCL:打高傾向)
マレーロ 打率.284、23本塁打、71打点、三振率15.6% (IL:投高傾向)
メネセス 打率.311、23本塁打、82打点、三振率20.5% (IL:投高傾向)
と20本塁打を放つことができるパワーを持ちながら、三振数が少なくバットに当てる能力が高い選手という共通項があります
自前の外国人野手の成功例が少なかった中で、ロメロとマレーロの成功によってこの2人のような選手が成功するタイプだと見て、メネセスを獲得したと見られます
またメネセスのようにフライボールヒッターとしての数値を残した経験を持つのがネフタリ・ソトです
ソトは、2011年にマイナーで31本塁打を放ち、GB/FBが0.90、HR/FBが23.6を記録しましたが、それ以降は数値が急落してゴロ率が増加した事で不調に苦しんでいたが、2017年に3Aで14本塁打を放ち、GB/FBが1.12、HR/FBが19.2と過去の長打力があった時の打撃を取り戻した事で、2018年の活躍に繋がっています
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2018年5月10日の3Aの試合で放ったホームラン
メキシコのスポーツジャーナリストによるインタビュー動画