2017年シーズンは、金本政権2年目の中で若手選手の台頭もあり、シーズン2位となった阪神タイガース
しかし年々長打力不足の印象が高まっており、今季は中谷が20本塁打を放ったとはいえ、今季2桁本塁打を記録したのは福留、糸井と30代中盤以降の選手とシーズン通して戦うことを考えると彼らの負担を少しでも減らしたい印象です
また今季はキャンベルが不調に終わり、ロジャースを途中加入させたものの、長打力という面では思うような活躍が出来ず、長打力を持つ4番候補の外国人選手獲得は解決すべき補強ポイントとなっていました
そんな中で阪神は12月13日、かねてより獲得が噂されていたウィリン・ロサリオ内野手を獲得したと発表しました
阪神は13日、ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国ハンファ)と来季の選手契約を締結したと発表した。背番号は20。
ロサリオは球団を通じて「タイガースの監督、コーチ、スタッフの皆さんとタイガースの一員になれたことを誇りに思います。韓国にいる日本人のコーチやスタッフに、日本のことをいろいろと聞いて興味を持っていましたので、来季から日本でプレーすることにとてもわくわくしています。KBOでの成績が評価され、日本での新しいチャレンジをつかむことができましたので、このKBOでの経験を糧に自信をもってプレーしたいと思います」とコメントした。
揚塩球団社長は「契約をまとめることができ、ほっとしたというのが正直なところです。MLB、KBOの所属球団との激しい争奪戦の中、契約をまとめてくれた編成スタッフに感謝したいと思います。ロサリオ選手は、韓国球界での成績も申し分ありませんし、編成ポイントでもあった右の長距離砲ということで、打線の活性化につながる選手だと思っております。金本監督の下、リーグ優勝、日本一に向けて活躍してくれることを大いに期待しております」と喜んだ。
今回は、阪神が獲得に成功した4番候補ウィリン・ロサリオについて書いていきます
MLB通算で72本塁打、ここ2年は韓国でプレーし、2年連続30本塁打、100打点を記録
ウィリン・ロサリオは、ドミニカ共和国出身の28歳
右投右打の一塁手兼捕手です
2006年にコロラド・ロッキーズと契約を結び、入団
2011年に2Aで102試合打率.249、21本塁打、48打点と活躍を見せると同年9月にメジャー昇格を果たし、16試合打率.204、3本塁打、8打点をマーク
2012年は正捕手に抜擢されると、8月にはロッキーズの捕手シーズン最多本塁打を更新するなど長打力を発揮し、117試合打率.270、28本塁打、71打点と活躍
2013年は121試合打率.292、21本塁打、79打点を記録し、打率を大きく向上させる一方で四球数は前年より10個減らし、出塁率も前年度と同水準に終わるなど選球眼に課題を残した
2014年は106試合打率.267、13本塁打、54打点とこれまでに比べると打撃成績は落ち、捕手としても盗塁阻止率16%に留まり、捕逸も12個で3年続けてリーグ最多を記録
2015年は4月後半に3Aに降格し、5月に再昇格をしたものの、7月に月間打率.167と不調となり、3Aに降格。
9月に再昇格は果たしたものの、87試合打率.268、6本塁打、29打点と低迷し、12月にフリーエージェントとなり、退団
2016年は韓国プロ野球(KBO)のハンファ・イーグルスへ移籍
1年目からチームの主砲として活躍し、127試合打率.321、33本塁打、120打点と大活躍
2017年は自慢の打棒にさらに磨きがかかり、119試合打率.339、37本塁打、111打点、OPS1.074と圧倒的な成績をマーク
今オフはハンファから推定年俸150万ドル(1億7000万円)からの大幅アップでの残留オファーを出したものの、国外でのプレーを目指し、退団
NPB・MLBも興味を示すなど動向が注目されていました
守備位置は、ロッキーズ時代は捕手としてプレーしていましたが、失策数の多さや盗塁阻止率の低さから2015年は一塁手にコンバートされています
2016年以降は捕手としては2年間で4試合に出場したものの、リードや送球の正確さがやや難があるという評価を受けているようです
2015年以降は一塁手に転向しましたが、転向初年度は打球処理に苦しみ、ミスを重ねていたようですがKBO移籍後は打球処理などは安定しているようですが、守備範囲が狭く、逆シングルの捕球が苦手と評価されています
成績で読み解く
MLBでの成績
11年 16試合打率.204(54-11) 3本塁打 8打点 2四球 20三振
12年 117試合打率.270(396-107) 28本塁打 71打点 25四球 99三振
13年 121試合打率.292(449-131) 21本塁打 79打点 15四球 109三振
14年 106試合打率.267(382-102) 13本塁打 54打点 23四球 70三振
15年 87試合打率.268(231-62) 6本塁打 29打点 8四球 56三振
通算 447試合打率.273(1512-413) 71本塁打 242打点 73四球 354三振
KBOでの成績
16年 127試合打率.321(492-158) 33本塁打 120打点 33四球 90三振
17年 119試合打率.339(445-151) 37本塁打 111打点 50四球 61三振
通算 246試合打率.320(937-309) 70本塁打 231打点 83四球 151三振
上記がロサリオのMLBとKBOでの成績です
魅力的なのは、なんといっても長打力
MLBで通算71本塁打、KBOでも2シーズンで70本塁打を放つなど強打者として十分評価できると考えられます
ただMLB時代に所属していたロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは高地にあり、打球の飛距離が伸びやすい影響があり、通算のホーム・アウェーで見ると
Home 232試合打率.309(780-241) 40本塁打 147打点 155三振
Away 213試合打率.235(732-172) 31本塁打 94打点 199三振
となっていて打撃数字が落ちた2014年以降はアウェーでの成績も急落していています
KBOでは成績が急騰して凄まじい成績を残していますが、打高投低の傾向が強いリーグだけに、手放しで喜ぶのは難しいでしょう
データで読み解くロサリオ
まずはKBOでの2017年球種別打率、OPSを見ていきましょう
ストレート 打率.389 OPS1.264
スライダー 打率.339 OPS0.990
チェンジアップ 打率.357 OPS1.127
カーブ 打率.143 OPS0.553
フォーク 打率.239 OPS0.670
ストレート・スライダー・チェンジアップに対しては好成績を残す一方でカーブにはかなりの弱さを見せており、また日本人投手が多用する傾向にあるフォークも苦手とする球種といえるかもしれません
またMLB時代の通算球種別成績を見ると
ストレート 打率.306 OPS0.953
スライダー 打率.230 OPS0.608
チェンジアップ 打率.242 OPS649
カーブ 打率.224 OPS0.560
フォーク 打率.182 OPS0.682
これを見るとMLB時代からカーブ系、フォーク系に弱い傾向が続いている事が分かります
MLBの平均球速150.8キロで打率3割を超えていて、KBOは平均球速が141.7キロ、今季平均143.2キロのNPBでも対応は可能と思われます
コース別のswing%ヒートマップ
コース別のPitch%ヒートマップ
コース別average ヒートマップ
これはロサリオのMLB時代のヒートマップです
赤に近い色ほど割合が高く、青や水色に近いほど割合が低い事になります
それぞれを説明すると
swing%→真ん中よりインコース寄りに赤色の割合が高いがアウトコース低めや外角のボールゾーンに青が集中
contact%→swing%と似た内容となっていて、アウトコース低めとボールゾーンのcontact%が低い
Pitch%→得意ゾーンのインコースを避けて、アウトコースに投球が集中されている
AVG%→swing・contactと同じような図になっているが外角のゾーンに青色が集中
MLB時代のデータを見る限りは、外角低めと近辺のボールゾーンに弱点がある印象です
映像で読み解く
この映像はMLB時代に自己最多28本塁打を放った2012年のハイライト映像です
ロッキーズの選手とはいえ、打った瞬間本塁打と分かる弾道と飛距離を持ち合わせている事が分かります
こちらの映像は、2017年にKBOで放った本塁打の映像集です
力強い打撃を今シーズン続けていたというのが分かる内容で、観客の歓声の大きさなどを見てもチームにとって大きな存在だった事が分かります
阪神の助っ人外国人史上最高額の2年総額750万ドル(約8億4750万円)という大型契約を結んだウィリン・ロサリオ
失敗することは許されず、成績も高いハードルを求められるのは言うまでもありません
しかし実力通りの内容を残せば、阪神にとって大きなプラスになる事も分かっています
2018年シーズンの阪神のカギを握る助っ人に注目していきたいところです



