ひやけんさんで

～疎外感や孤独を感じている人たちへ～

パソコン教室を営んでいる

和田基博と申します

明星寺虚空蔵菩薩堂の明星池、ひやけんさんに水を汲みに行ったときの事、

私が車をお堂の前の反対側の路肩に車を止め

10Lのポリタンクを車から降ろして水を汲む前に、

虚空蔵菩薩堂、慈母観音、聖光上人の御姿でお参りしていると、

2人の年配の男性の方が水汲みに来られました。

それぞれに、「お参りしていますから先に水を汲んでください」と声をかけ、

慈母観音で般若心経とマントラ、聖光上人の御姿前で般若心経を唱えました。

順にひやけんさんから長柄杓で水を汲まれて車に積まれていましたが、

私が供えの線香とライターを置いて奉納したあと、

法螺貝に水を飲ませるために法螺貝を持ってくると、

聞かせてくれるかな？と言われたので、

お参りを終えて最後に虚空蔵菩薩堂本堂と山の神に向けて

いつも法螺貝を吹いているので、「後で吹きますね」と云うと

嬉しそうに頷かれました。

私が水汲みを終え法螺貝に神の水を飲ませている時、

虚空蔵菩薩堂は管理している人が亡くなったと聞いたと

年配の方が話し始めました。

「いえ、この上の虚空蔵菩薩堂の本堂は、無人で例祭の時に浄土宗の方たちが

月に一度、開扉してお勤めがあり、あとは大祭の時に地元の人たちが集まって

賑わうくらいですね。いつもは、この明星池のお堂は水汲みの方が多く、

私も時々本堂へ上がってお参りしますが、上は静かなもので、

あとはその先のお堂の階段から登ってお参りされる信者さんや

地元の方が掃除に行かれるだけで、社務所はなく、いつもは誰もいませんよ」と

答えました。

一人の方が帰られ聖光上人の像の横の上に上る石段で

上を見上げてスピリットたちの気を感じ、

ゆっくりと法螺作法を唱え、法螺貝を吹き鳴らしました。

思い浮かんだのが、林道の先から登って行ったところにある

真言宗のお寺の住職が亡くなったことはもう10年くらい前になるでしょうか、

叔母が住職と同級生で仲が良く、叔母と二人で家にも来られたことがある

尼さんでしたが、がんで亡くなったと聞いていたのでした。

そのことを話すと、そうですか、と言われ、

そのあと御自分の生い立ちや兄弟、出身、子供の頃から就職するまで、

家庭が貧乏で大学に行けなかったこと、就職先で奥さんと知り合い、

馴れ初め、結婚に至ったことや子供さんとの事、お孫さんとの事、

5年前に奥様を亡くされたことなど話され、

私はじっとそれを時折頷きながら聞いていました。

そして今でも愛していると奥さんが心の中にいる事や

互いの両親の先祖のお墓をまとめて娘さんに託してお願いしたことを

しんみりと話されているのを静かに聞いていました。

おそらく話したかった事の心の胸の内を、私を通じて聞いてあげることが

神の使いとなっているのを感じていました。

奥さんがこの世からいなくなっても魂は不滅で、

縁があればまた会えますよ、と根拠のない言葉が

自然と口から出て来たのです。

微笑んで、ぽつりと、会えるかな？と聞かれ、

今世か来世なのかはわかりませんが

会えますよと私は頷きました。

1時間くらい経っていたでしょうか、また何処かでお会いできますようにと

挨拶をされ、車に乗り込んで帰られたのでした。

陽が落ちかけていて、虚空蔵菩薩さまに感謝を覚え

深く一礼して車に乗り込んだのでした。

続きは次回以降アップしていきたいと

思いますので

少しでも、何か参考になったとか

興味があるとか気が落ち着いたと

思って下さると幸いです。