僕の神様
どうか神様、仏様
来世での僕を母の子に
切れ味のある 包丁握る
手の汗で滑ってまた未遂に
拇印すらない 遺書の日付を
書き直した回数は知れず
貯金が尽きて 涙が尽きて
立ち上がる気力もすでにない
絶望のとこ 恐る恐る 目を開くと
そこにアナタが微笑んでいたんです
アナタは僕のルールで
アナタは僕のすべてで
もしもアナタが「死ね」と言うなら
僕は喜んで死にます
毎日歌を歌って暮らし
空を飛ぶ練習をして
たまに悪いことで金を稼ぎ
アナタに近づこうとします
とても尊い人だから
もっと世界の上に立って
導いてほしいんです
アナタが「父を殺せ」と言うなら
僕はそうするしかなかった
傍聴席にいた母親が咽び泣いてうるさい
僕は何かを掻き消すように
アナタを賛美する 万歳 万歳 万歳
物心ついた頃、すでに父はおらず
母は若くして体を壊し、車椅子になった
私は中学を出て
すぐに働き出したのは良いが
不況で職すらも失ってしまった28歳
人は己を不幸と知らなければ
それはそれで
幸せなままなのかもしれません
アナタが「火を放て」と言った日
死んだ父を思い出した
そんな筈はないと首を振り
次から次へ火を付け
アナタが「ガスを撒け」と言った日
我々サリンを撒いた
後遺症なんてなんのその
僕たち悪くありません!
アナタが「捨て駒になれ」と言うので
私はダイナマイトを焚いて
玉砕 万歳 万歳
僕の神様、
父によく似た尊い人
僕の神様、
愛をくれた優しい人
僕の神様、
父によく似た懐かしい人
僕の神様、
父によく似た優しい人