第1章 夢想のドミナ
「パリスの審判」エルンスト・フックス
真にマゾヒストを以て任じる人ならばアフロディテを選ぶまい。
ヘラの高貴なる美貌を選ぶのは貴婦人崇拝者である。
アテネ
アテネに象徴される女の雄武を選ぶ人もあろう。
女性にして男性に伍して活躍する者に魅力を覚える人、
つまり驕慢よりも有能さにこそ叩頭するタイプの人が、これに属する。
第8章 転生願望と畸形願望
「ディアナの狩猟」(アルテミス)ルカ・ペ二
畜生になって美女に侍りたい
――これを「美女と獣畜」(ラ・ベル・エ・ラ・ベート)
(bêteは野獣とは限らない)の主題ということもできようか――
この畜化倒錯者の悲願はさまざまの空想を生む。
装幀:山本美智代
函絵:村上芳正
発行:昭和47年5月1日重版
セット価:2,400円
都市出版社
春川ナミオ