「刑事コロンボ」の女性犯人シリーズ第3弾です。今日は全てが変則的だった第5シリーズの名作「忘れられたスター」です。この作品では、往年のミュージカルスター、ジャネット・リーが、往年のミュージカルスター、グレース・ウイラーを演じています。この趣向だけでもう、アメリカのファンは大興奮するわけです。
グレース・ウイラーは既に引退していますが、かなりの年になった今、懐古ブームに便乗してカムバックを目論見ます。ところが有名な医師である夫がカムバックに反対するので、自殺に見せかけて寝室で夫を射殺してしまいます。
もちろんお約束通り、コロンボはグレースの大ファンです。捜査の過程で、コロンボは夫がカムバックに反対した真相を発見します。グレースは、手の施しようがない脳動脈瘤に侵されていたのです。時間の問題で動脈瘤は破裂し、グレースは死にます。カムバックすると、ダンスの衝撃でそれが早く来るので、夫は反対していたのです。もちろん不治の病のことはグレースにはひと言も言っていません。グレースは夫のことを、自分を独占したい意地悪じじいだとばかり思って殺してしまったのです。
グレースは、病気のせいで日に日に忘れっぽく、怒りっぽくなっていきます。夫が死んだのでカムバックに向けてレッスンを始めますが、相手役の若い男の子が全然テンポを合わせられないと言って激怒します。でも本当は彼女の方が老化してテンポがずれていたのです。
そしてグレースは、とうとう自分が夫を殺した事さえ忘れてしまいました。コロンボによって、実は殺人だった事は解明されましたので、彼女は自分を、夫を殺された可哀想な被害者だと思い込んでいます。
人情味あふれるコロンボにとって、余命幾ばくも無い、しかも犯行を忘れているグレースを逮捕するなど、余りに辛すぎます。かと言って、これが殺人である事は既に上司にも知られています。そこでコロンボがどうしたか。前代未聞の結末が用意されます。
そのラストシーン、グレースは自宅のシアターで、自分の昔の主演作に惚れ惚れと見入っています。これが往年の大スターにとっては、一番の至福のひと時なのです。画面の中で踊っているのは可愛い少女。役名はロージィことローズマリー・ランドンです。夫がグレースのカルテに記した名前もまた、ローズマリー・ランドンでした。グレースのファンであるコロンボは、その名を見てすぐ、グレースのことだとわかったのです。
最近の出来事は全て忘れてひたすらロージィと同化しているグレースの姿を見ていて、コロンボも視聴者もたまらない悲しさを感じます。何が怖いって、演じているのは実際の往年の大スターであるジャネット・リーで、上演されている可愛いロージィもまた、実際の若き日のジャネット・リーの姿なのです。
自分が犯人だと思っていないので、コロンボの脅威も感じていません。使用人夫婦に向かって、コロンボ夫妻は昔からのファンだから、上映会に粗相が無いようにと嬉しそうに命じます。その無邪気なはしゃぎ方が何とも哀れです。視聴者は、コロンボさん、見逃してやれよと願っています。
こんな自己処罰みたいな役を見事に演じ切ったジャネット・リーに拍手です。アメリカの人は、そういう部分、日本人よりも懐が深いです。「忘れられたスター」は名作です。いつまでも忘れられることは無いでしょう。
AKB48の中でグレース・ウイラーを演じられるのは、やはり高橋みなみさんか山本彩さんでしょう。若きロージィも、老いた殺人犯も、この二人なら立派に演じられると思います。
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芥川ケン バサラエルボー専任講師 夢を叶えるカウンセラー。愛と希望のセミナー達人。高橋みなみさんの如き根っからの総監督。
太宰院マキ バサラエルボー代表 長年エステ業界で修業し、その人自身の治癒力を引き出すヒーリング名人。山本彩さんの如き万能アイドル。
夏目魔弓 バサラエルボー幹事 さすらいの歯科医。イギリスをこよなく愛し、書道と陶芸でも非凡な腕前を発揮する。ジャネット・リーさんの如き割り切りの未来人。