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お祖父ちゃん


父方のお祖父ちゃんはモノ心ついた時には既に居ませんでした。


僕が二歳の時に逝ったそうです。

(今生きてたら、105歳か...)



このお祖父ちゃんが死んだ原因が「酒」と聞いています。

唸る程の酒呑みだったらしいのですが、何でも...酒飲んで、風呂入って、ぶっ倒れて“チーン”だったそうです。


(何やってんだか...)


両親は酒一滴も飲めませんが、僕はいわゆる“ザル”です。兄弟で飲めるのも僕独りだけです。



餓鬼ん頃から親爺には良く言われました。


「お前、爺さんに良く似てるわ。顔も、仕草も(笑)」


(ふーん、写真でしか知らねーし)


酒、中学1年坊の盆に初めて飲みました。昔は盆と正月に親族が集まってたんですね、うちは。

宴会になり、飲める派と飲めない派が分かれました。

そのうち分家の叔父貴の1人が、
「桜は本家の長男坊なんだから、おらコレ、グ~~っと行け!」


(何だ、その理由...)


叔父貴達が飲んでた日本酒を一気に飲んだ。

不思議に美味かったんだな、此れが。


「コレ美味いなー!ビールは苦くて不味いけど、日本酒は美味いわ!オッサン達ばっか飲んでズルイわ」

後で聞いた話だが、親爺が一滴も飲めないもんだから、息子も当然、下戸だと思ったらしい。

生意気盛りのガキを懲らしめる(笑)つもりで飲ませたんだって。


叔父貴どもが面白がってガンガン飲ませる。

従兄弟達にも飛び火し、大いに盛り上がったらしい。

らしいと言うのは、余り記憶が無いから(笑)





ただ翌年の正月から、当たり前の様に“飲める派”の席についてる僕が居ました。



酒飲めるのは、お祖父ちゃんからの隔世遺伝のお陰。




飲兵衛だったお祖父ちゃんと、一度飲みたかったなー。