募集株式発行の出資の履行とDES
今日は、疑問に思いつつ、調べてなかった事項について調べたので、自らの備忘録も兼ねて日記で残しておきたいと思います。
まあ簡単な話かもしれないんですが、募集株式発行の出資の履行についてです。
出資の履行が規定されている208条3項で相殺をもって払い込みに代えることが禁止されています。
趣旨は、従来から資本充実の要請ということでした。
しかし、平成17年改正で、いわゆるDES(デッドエクイティスワップ)が会社法の規定で正面から認められたため(会社法207条9項5号)、実質的に考えると相殺と同じ効果を得ることが可能となりました。
ざっくり説明すると、まず207条は、現物出資財産についての検査役の調査の規定です。
同条9項5号で会社に対する金銭債権を現物出資するに当たって、①弁済期が到来しており、②現物出資する価額(正確には199条1項3号の価額)がその金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合は、
検査役の調査を不要としています。
9項5号に該当すれば、債務の資本化、すなわちDESが可能となります。DESは企業再生でよく出てきますよね。
ただ債務を免除するというのは、金融機関では、なかなか呑めない話のようで、回収の可能性を残すというところで、債権を株式に換えるわけです。
免除されてしまえばそれで終わりですが、株式にしておけば、いずれ業績が回復すれば、株式を売却して、融資額を回収することができます。
そのための手法といえます。
いずれにせよ、債権を現物出資するわけなので、現ナマは入ってきませんよね。そして債権の現物出資と払い込みを会社に対する債権で相殺することはほとんど同じことですよね。
そうであれば、208条3項の趣旨を資本充実の要請とすることはちょっと違和感ですよね。債権の現物出資は認められているわけですから。
これは逐条解説で洲崎先生が書かれてたんですが、他の趣旨を考えるとすると、出資の履行の段階で、相殺を主張されると、債権の額の確定や、債権がそもそも存在するかどうかの調査など手間がかかることになり、募集株式発行の手続が停滞してしまうことを防止するため、ということです。
なるほどって感じですよね。
でもDESは現ナマが入ってこなくても、債務が消滅する分、現ナマを払う必要がなくなるわけですから、その分プールされているわけで、資本充実しているともいえますよね。
まあどちらにせよ、資本充実の要請だけが趣旨だとは言えないってことになりますが。
こんな問題が司法試験で出るのかはわかりませんが、募集株式のところは論文でも重要なとこなので、知っていて損はないのかなと。
相当わかりにくい文章なので、申しわけないですが・・・。問題の所在だけでも、もしご存じなかった方はお持ち帰りいただければ。
若干間違っている可能性もありますが、その点はお許しください。一法科大学院生の現時点での理解ということで。