こんにちはバルコアです。

 

3、穀・菓と五行

総じてこれを言へば、五穀は、則ち芒(とげ)は以て木に配し、散は以て火に配し、房(ふさ)は以て金に配し、莢は以て水に配し、萃(さや)は以て土に配す。

芒とは大小麦の属、散とはび黍(しょ)の属、房とは胡麻(ごま)の属、莢とは大小豆の属、萃とは稷粟の属なり。

芒はその鋒芒繊長なるに取る。

木の生じて地を出(い)で鋒芒のごときなるに象るなり。

散は舒なり。

火気の温煖にして、物の舒散するに象るなり。

房は方なり。

金の裁割して体の方正なるに象るなり。

莢は狭なり。

水の流れ長くして狭(きょう)なるに象るなり。

萃は聚なり。

万物みな土に聚りて、乃ち用をなすに象るなり。

 

五菓は、則ち子は以て木に配し、核は以て火に配し、皮は以て金に配し、殻(かく)は以て水に配し、房は以て土に配す。

子は梨ないの属、核は桃李の属、皮は柑橘の属、殻は胡桃栗の属、房は蒲陶の属なり。

子は、その潤を含みて、木の光潤に生じ、子実茂盛なるがごときなるに取る。

核は、その肉の内に在りて、食(くら)ふに堪へず、火の陰の内に在りて、堪容するところなきがごときに取る。

皮は、その厚急なること金気衰老して、物西方に至りて、急縮なるがごときに取るなり。

殻は、その肉の内に在りて、食するに堪ふること水の陽の内に在りて、能く容納するに堪ふるがごときに取るなり。

房は、その結聚すること土の物みなここに聚るがごときに取る。

これ則ち総じて穀菓を論じ、以て五味に配するは、則ち略ぼ前釈のごとし。

 

この節では、穀物や菓物と五行との関係を説いているが、次のように配当する。

五行  木   火   土   金   水

五穀  芒   散   萃   房   莢

    大小麦 び黍  稷粟  胡麻  大小豆

五菓  子   核   房   皮   殻

    梨ない 桃李  蒲陶  柑橘  胡桃栗