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4、空亡(孤・虚)とは

十干に十二支ありて相ひ配し、周(めぐ)り畢(おわ)りて還(ま)た甲子より起こる。

故に六甲*輪転して六十日に止(とど)まる。

十日は一旬なり。

一旬の内に、二支の配偶することなき者は、これを孤*となす。

対衝するところの者は、これを虚*となす。

卜筮*(ぼくぜい)云ふところの空亡*なり。

支、孤にして干なきを以て、故に名づけて空亡となす。

亡とは无なり。

干なきが故に亡なり。

対するところの者は、全く虚し。

故に空と云ふなり。

筭*(さん)法、横に十二支の位を四方に下し、縦に八干の位を四方に下し、戊己の位を中央に下す。

甲子の旬の若きは、甲の干を取りて以て子の支に配す。

此くのごとく次第に相ひ配し、戊辰*に至る。

位中央に在り。

土を四行の主となして、移すべからず。

故に辰の支、巳の支を取りて中央に入れ、戊己に配す。

余は悉(ことごと)く干を以て支に就く。

戌亥*に至りて、干のこれに配するなし。

単なるが故に孤となす。

辰巳の位は支干並びになし。

故に名づけて虚となす。

それ空亡の辰は、五行に従ひてこれを言へば、甲子の旬のごときは戌亥なし。

水土は半ば空亡なり。

戌はこれ*土、亥はこれ*水にして、全く*亥子なきにはあらざるを以て、故に半と云ふなり。

甲戌の旬には申酉なし。

金を全く*空亡となす。

金の二支並びになきを以てなり。

甲申の旬には午未なし。

火土を半ば空亡となす。

巳午の全くなきにはあらざるを以てなり。

甲午の旬には辰巳なきも亦然り。

甲辰の旬には寅卯なし。

亦木を全く空亡と云ふ。

甲寅の旬には子丑なし。

亦水土は半ば空亡なり。

並びに二支の俱になきにはあらざるを以てなり。

 

〇六甲 前表の甲子・甲戌・甲申・甲午・甲辰・甲寅の六を言ふ。

〇孤・虚 例えば、甲子から癸酉に至る十日間において、十二支の戌亥を孤、辰巳を虚という。これは、日にも方位にも凶である。漢書芸文志には「風后孤虚二十巻」の書が記されている。昔、兵法家が軍をひきいるに、方位・日時等を占う法。

〇卜筮 亀甲・筮竹による占い。

〇空亡 悪日・凶日とされる。孤虚にもとづく。

〇筭 算と同じ。かぞえはかる。筭法は、後に図示する。

〇戊辰 前の干支表を参照、甲子の旬で中央にあり、中央に配される。

〇戌・亥 甲子の旬では、配当がない。表を参照。

〇戌はこれ・・・ 「戊己辰戌丑未は土なり。」とあった。

〇亥はこれ・・・ 「壬癸亥子は水なり。」とあった。

〇全く・・・ 水に属する「亥子」の内、子は甲子の旬に入っている。

〇金を全く・・・ 「庚辛申酉は金なり」とあった。以下、支干と五行の項と六十干支の表を参照。