こんにちはバルコアです。

 

大阪商人の考え方は、商売とは利益を出すことであり、お客の要求とは根本的に利益の面では異なるということである。

お客は少しでも安く良い物を買いたい。

売り手のほうは少しでも原価の安いものを高く売りたい。

この両者の希望を真向からぶつけたならば、絶対に商談は成功しないのである。

 

そこで良いものならば、また良い品物ならば売れると考えると、”利益”はしだいに減少し、ついには赤字となってしまうこととなる。

 

したがって商売人になるものは物を売ろう、品物を売ろうという考えを棄てて、お互いの利益のギャップを埋めるようなものを売らなければならないと考えるのだ。

このギャップを埋めるものこそ ”商” である。

 

そこでこのような考えとなる。

お客の要求と売り手の要求は、根本的に異なるのだからお客にテーブルつまり ”卓” を用意し、その上に乗っていただく。

そうするとお客の高さと売り手の高さが等しくなる。

等しくなることは商談の成立を意味するから、商談が成立したあとでは用意した ”卓” を引っ込めるという考え方なのである。

 

つまり商売人とは ”商” を売る人間のことであり、 ”商” とは ”卓” のことなのである。

かくして商売人とは卓売人のことなのだ。