こんにちはバルコアです。
ジェリーが連絡をしてきたのは、潰瘍に苦しんでいたからだった。
私は、彼が自分の道徳的なルールに反した女性とつき合っているという印象を受けた。
この女性を守りたいと思っていると同時に失望していて、この気持ちを面と向かって伝えられない自分にも同じように失望していることが感じられた。
この印象を伝えると、ジェリーは、パートナーのジェーンが麻薬中毒者だと言った。
出会ったのは彼女が「クリーン」だったときで、ひと月後に彼女は彼のアパートに引っ越してきた。
それから2か月ほどはすべてがうまくいっているように思えたが、ジェーンの行動が変わりはじめた。
また麻薬をやっているのかたずねると、そうではないと言う。
仕事をやめたいのだが、その先どうしたらいいかわからないので気分が不安定なのだ、と言うのだ。
最初は彼も信じていたが、こんどは財布からお金がなくなっていた。
彼女に聞くと家のものを買うのにお金が必要だったと言い、言い忘れたことを謝った。
ジェーンの嘘の話は、私たちの会話のうち、30分もの時間を埋めるほどあった。
私はジェリーに、問題となっている「点」を「線」で結んでみてはどうかとすすめた。
ジェーンと住む前は潰瘍を患ったことはなかったのだ。
問題はジェーンではありません、と私は言った。
彼が伝えたがっていたのは、彼女の言い訳はどうしても信じられないということだ。
彼は一瞬考えてから、ジェーンのせいで潰瘍ができたとは思いたくない、と言った。
彼女とやっていこうと決心したのであり、自分を必要としている相手を見捨てるのは間違っていると考えていた。
面と向かって自分の気持ちを言ってしまったら、彼女は去っていくのではないかと非常に恐れてもいた。
そこで私はきいてみた。
「自分の健康とジェーンのどちらかを失わなければならないとしたら、どっちを選びますか?」
そして、あなたはもうすでにジェーンに面と向かって気持ちを伝えているのです、とつけ加えた。
ただ、潰瘍が彼の代わりに話をしているだけなのだ・・・。
2日後、ジェリーから連絡があり、ジェーンにアパートを出るように告げたと教えてくれた。
驚いたことに、この決心で肩の荷がおりたように感じたという。