こんにちはバルコアです。
エリックの話は、まさにこの挑戦の典型的な例といえるだろう。
エリックとは、数年前、ベルギーでのワークショップで出会った。
彼はワークショップの最中はひと言も言わずに、終わってから、自分が私をアムステルダムまで乗せていく係なのだと伝えてきた。
私は疲れきっていて眠りたかったが、出発するとすぐに、彼は「私の人生についてお話しさせてください」と言うのだった。
そのとき、話を聞くことは、お世辞にも楽しそうなこととは思えなかった。
それでも私は、「わかったわ。聞いていますよ」と言ったのだが、いまでも、彼がしつこく頼んできたことに感謝している。
それより10年前、エリックの人生は崩壊した。
それまで一生懸命軌道に乗せようとしていた事業のパートナーふたりが、彼とはもう一緒にやりたくないと言い出したのである。
2対1の決定だったので、エリックは口を出すことはできなかった。
ふたりは、35,000ドルの現金か、共同で所有していた事業会社の株のすべて(株はまったく無価値だった)のどちらかをあげようと申し出た。