こんにちはバルコアです。

 

会場の空気に緊張が走った。

誰も身じろぎひとつしない。

 

その瞬間、ひらめいた。

席を蹴るようにして立ち上がった私は、みんなに向かって宣言した。

「もうこれからは健康について診断することはいっさいしません。そのかわり、みなさんが自分で診断できるよう、そのやり方を教えることにします。私はひとりしかいないので、この調子で続けると、とても長生きはできそうもありませんから。払い戻しのほしい人は、いまそう言ってください。そうでない人たちは、ノートを出してください。これからしっかり勉強してもらいますからね。私が身体をどう見ているか、それを教えます。私が診断するのではなく、どこに問題があるか自分で見る方法を教われば、みなさんにもとても役にたつはずです」

 

恐怖におののいてしまっているこの女性に向かって、私は言った。

「あなたは私の命の恩人かもしれませんね。感謝しています」

 

ひとりとして払い戻しを求める人はいなかった。

その日から、私は「自己診断」の方法を教えはじめたのである。

1992年の秋までには、ノームと私は、直観の科学を教えるトレーニング・プログラムの可能性を話し合っていた。

このプログラムの当初の資金を提供してもいいというオランダの起業家に出会い、1993年には、直観医療を教える集中講座をはじめた。

それが最終的にこの本を書くことにつながっていったのだ。

体系的に教えることで、幸運にも私は、たくさんの参加者の人生について聞くという、特別の機会を与えられた。

その一部は、本書にケース・スタディとして書かれている。

気のレベルで自分を癒し、実際の病気を回避できた人たち、すでに発生している病気のプロセスを逆行させたり、治癒させた人たちの話だ。

 

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