
これはいったいなんでしょう?木製のため、かなり朽ち果てています。
名前は「唐箕」(とうみ)。風を起こして穀物を 籾殻・玄米・塵などに
選別するための農具です。では「箕」とはなんでしょう。
これも同じ役割の農具ですが、竹で編んだザルのような形をしています。
昔は、フライパンの中で料理をひっくり返すように
この箕で穀物を空中に浮かせては軽い皮などを取り除いていました。
つまり「唐箕」は、中国から伝わってきた新しいタイプの箕というわけです。
昔、名久井農業高校で米作りを担当していましたが
ハンドルを回すことで中の風車が回転し、
風を起こすことができたのでとても便利だったのを覚えています。
調べてみると中国で誕生したのは紀元前。
日本に入ってきたのは17世紀。江戸時代に書かれた浮世絵にも
書かれていますが、驚くことに形はこれと同じ。
何百年と変わらないとはロングセラーだったようです。
現在はコンバインで収穫と同時に風で選別するので見なくなりましたが
販売はされています。価格は数万円の手回し式から100万円もする
モーター付きまでいろいろ。原理は同じ。すごい発明品です!