
これは2019年のFLORA。前年に環境研究TEAM FLORA PHOTONICSが
10年の活動に終止符をうって解散しましたが、
その翌年、学校の依頼があり再び環境研究班が再募集を開始。
さすがに同じ名前はまずいだろうということでつけたチーム名がTreasure Hunters。
これは彼らが研究を始めてまもない2年生の春の写真です。
取り組んでいるのは実験に使うための塩害土壌作り。
鳥取大学から教わった方法で大量の塩害土壌をみんなで作っている様子です。
ところでその昔、お前は数学や理科が苦手だから、農業高校で花を植えたり
果物でも栽培したらどうだと中学校の先生からいわれたという名農生がいました。
でもいざ入学したらびっくり。肥料ひとつとっても栄養素がどのように
分解吸収されるかという化学式や必要な栄養素を10kg施すには
肥料がどれぐらいいるかなど計算だらけ。農業は生命を相手にするので
生物や化学はもちろん、数学が必須です。さらに環境システム科のように
モノづくりが始まると工学の世界。物理に関する知識や技術も欠かせません。
つまり農業高校は理系男子、理系女子(リカジョ)の集まりなのです。
楽しいはこれらの知識や技術を生きている植物や動物に適応させる面白さ。
植物はロボットと違い、気温や土壌などの生育に影響を与える要素は多く複雑。
思ったようにはいきません。だからこそ、これらの要素をうまくコントロールして
こちらの望むような振る舞いをしてくれた時の喜びは格別です。
さらに販売となるとマーケティングなどの文系の知識技術も必要。
スマート農業になるとITも自在に操る必要があります。
学んだ理系文系のすべての知識と技術を総動員して新しいものに挑戦する。
これが農業高校のダイナミックな楽しみ方です。止まらない気候変動や社会情勢を
乗り切るのは柔軟な若い人の発想。中学生の皆さんの力が欲しい農業高校です。