これは2018年、最後のTEAM FLORA PHOTONICSの
ある女子が取り組んだ水耕栽培研究。FLORAは結成時の2009年から
栽培にLEDを取り入れました。当時は珍しく、
どんな波長がどんな効果をもたらすのか、よくわかっていませんでした。
そのため結成したばかりのFLORAが学会の高校生部門で発表する結果には
いつも人だかり。大学の先生方さえ知らない現象をたくさん捉えていたからです。
彼らの研究を支えるのがLEDですが、当時青色の電球1つ15,000円以上。
よく出張で東京に行くと秋葉原に寄って波長の明示された安いものを探しました。
そんな貧しい思いをしていたので、考えたのが既成の白いLEDを
このように赤や青のフィルムで囲んで栽培する方法。
メーカーの協力で波長を測定する機器を無償で1週間借りて測定すると
青ではちゃんと波長450nm付近、赤では660nm付近にピークが現れました。
下のレタスは左は赤、右は青フィルム。中央はフィルムなしで栽培したもの。
波長の特性が現れ、成長しているのがわかります。
まさにお金のない高校生ならではの発想。
でも「同情するなら金をくれ」ではなく
「ボロは着てても心は錦」という心意気。
家庭や農家も利用できる低コストな技術研究ですが、
どこにも成果を発表することなくFLORAの倉庫に眠っています。