これは1週間ほど前の名久井農業高校。
ご覧のように積雪ゼロ。それどころか例年より暖かです。
暖冬と呼ばれたのが昨年。確かに雪は多くありませんでした。
よかったように思えますが、結果は逆。
2月の高い気温でリンゴなどの果実の芽が動き出してしまい
その後、3月にやってきた低温で芽が凍害を受け収量が減ってしまいました。
そもそも果樹の蕾はがっちりとした皮をかぶって寒さから身を守っています。
しかし暖かいと皮が緩み、芽が膨らんで顔を出してきます。
昨年は、こんな状態でいきなり寒波に見舞われたというわけです。
逆に今年は厳しい冬だといわれて、予報通り雪は降りました。
しかし、今はこのように寒中なのに暖かです。
長期予報では今年は春が早く、夏は猛暑とのこと。
もしかしたら、このまま暖かな春なってしまうかもしれません。
でも安心してはいけません。
実は氷点下3〜4度の低温に、わずか30分以上遭遇しただけで
被害が発生するというのが果樹です。
たった1日の寒波がまた被害を起こす可能性があるのです。
おそらくこの現象は昨年、今年に限ったものではなく、
これから当たり前になってくるはず。
芽はたくさんあるので防寒の帽子を被せるわけにはいきません。
寒波が来るのがわかった時、何かを散布して芽を被覆し、
一時的に守るというような対策ができないものでしょうか。