ご存知、クリスマスローズです。
先日まで職員室前の細長い「望岳の庭」で
きれいに咲いていましたが、今は色が少しあせてきました。
それでも縁起物といわれるように花びらが落ちることはありません。
なぜなら花弁のように見えている部分は、実は「ガク片」。
色こそあせてきますが、決して散ることはないのです。
さてFLORAがこの花の栽培に取り組んだのは2009年。
理由は園芸科学科草花班であったのが理由ですが
それ以上に当時の日本はクリスマスローズの大ブームだったからです。
播種から開花するまで約3年。
コチョウラン並みに月日がかかるので、ひと鉢の価格は数千円。
珍しい花などは数万円で販売され、それでも皆さん買われていました。
そこでFLORAは種子から育て、ひと鉢500円で名農祭で販売。
地域の皆さんが喜んで求められ、FLORAはその売り上げで
研究材料を購入していたものです。
しかし環境システム科に移籍する頃にはブームは終焉しました。
その昔、江戸でもサクラソウやアサガオなどが大ブームになり
庶民が珍しい花を競い合ったといいますが
今考えるとこのクリスマスローズも同じ。
クリスマスローズというきれいなネーミングが
ヒットした理由のひとつといいますが、平成の時代、人々の中で
いったい何が起きたのでしょう。花はトレンドに左右されるもの。
嵐のように訪れ、去っていきます。
それだけに草花農家や育種家には一歩先の時代を見通す力が必要です。