2010年に始めたFLORAの草花開花制御研究です。
薬剤である植物ホルモンの生成を阻害された植物は
まるで光を感じたかのような振る舞いを見せます。
左の2鉢は草丈が伸びないミニアサガオ、右は同じくミニヒマワリ。
どちらも夜が長くなり、日が短くなると花芽をつける短日植物です。
彼女たちが薬剤処理したのは2鉢のうちどちらでしょう。
答えは右側。左の無処理の花が咲いたのにまだ咲きません。
つまり短日条件になっているのですが、光を感じたかのように花芽を付けないのです。
では何日開花が遅れたのでしょう。
観察してみるとアサガオで10日、ヒマワリでは20日も遅れました。
彼女たちはこの期間の日没時間などをさまざま計算。
そして1日何分ぐらい光を長く感じたかなどを推測し
植物学会や植物生理学会で発表しては高い評価を得ました。
光を照射して開花を遅らせるのを抑制栽培といいますが
彼女たちのアイデアは一切ライトを使わずに光を感じさせるという魔法の技術。
ライトマジックショーと名付け、その後も後輩によって
省エネ栽培になるのではとさらに研究されました。
残念ながらこの薬剤はまだ植物成長調整剤に登録されていないので
商品にはできませんが、研究としては今なお魅力的。
後輩たちがさらなるアイデアを出せればショーが再開されるかもしれません。
なお彼女たちはこの数ヶ月後、東日本大震災で被災することになります。
能登半島周辺で発生している大震災。当時の記憶と重なります。