
馴化温室で一人ナガイモを栽培している男子メンバー。
早いもので研究を開始して、まもなく6ヶ月になろうとしています。
いつもそばに寄って葉や土を観察していますが
この日は少し離れて全体を眺めてみました。
するとどうでしょう。3つの区があるのですが
一番左の区の蔓がよく伸びています。
確かこれは慣行区。右の試験区はなぜか伸びに勢いがありません。
茎葉を伸ばす時期を栄養成長といいます。
それとは逆に、実をつけたり根に養分を蓄える時期を生殖成長といいます。
彼は2つの試験区を考案しましたが、
目標は慣行区より勝るのではなく、同等の収量を確保すること。
しかしどうやら彼の試験区は、何かが栄養成長を阻害しているようです。
栄養成長は生殖成長と密接な関係にあります。なんだか不安です。
不安を助長するのが、トラブルが見えない地中で起きていること。
まるで遠く離れた宇宙を旅する探査機「はやぶさ」が故障した時と同じです。
彼のナガイモは目の前にあるのですが、土を掘り返すわけにはいきません。
対処法は、お医者さんのように、どれだけ多くの要因を想像できるか。
しかし、なかなか難しいものがあります。
彼の不安は、わずが地下10cmという手が届きそうで届かない宇宙で起きています。