「農業高校あるある」のひとつに農産物の校内販売があります。
今の時期はサクランボ。それも赤い宝石と呼ばれる佐藤錦が
毎日のように買いやすいパックに入って500円以下で販売されています。
昔は女子生徒が先生方に混ざってちょくちょく買っていましたが
今は保護者から頼まれたのか男子生徒も列に並んで買い求めます。
でも美味しいものはみんな共通。名農の魅力を思う存分楽しんでください。
さてこちらのチラシというかポスターは、学校農場のものではありません。
なんと環境システム科の学校設定科目「起業チャレンジ」で
結成された生徒の模擬農業法人のもの。
どうやらこの会社では、まもなくサニーレタスの収穫が近づいているようです。
事前告知なんですね。まるで文化祭の模擬店のようなポスターですが
作るには労力がかかります。こんな一生懸命なプロモーション活動を目にすると
なんだか買ってあげたくなるから不思議です。
でも法人は3社あるはず。他の会社のポスターは目にしません。
昔だったら先生の指導でみんな一律にポスターを作らせたと思いますが
社長や営業部長の経営方針は会社によって違うもの。
つまり主導権は先生ではなく生徒にあるべきと考え、
思い切って選択の自由とそれに伴う責任を彼らに与えました。
したがってポスターなど販促に経費をかけないというのも立派な選択なのです。
教え込むティーチングではなく、彼らが意思決定する際に参考となる
アドバイスするコーチングに徹する。
自ら考え楽しそうに生産販売に取り組む生徒たちを見ると
ついつい授業の仕組みやルールに注目しがちですが
この科目の成功は先生方の意識改革にかかっているのです。