これがFLORA HUNTERS AQUAの女子が一人で製作した水耕栽培装置。
もちろん実験用なのでそんなに大きくありませんが、売りは蒸発抑制能力。
一般的な水耕栽培は、簡単にいえば水面に植え付けボードを浮かべている方式。
また空気を与えるため養液を装置内で循環させるので、
大量の水と電力が必要なうえ、どうしても水が蒸発してしまいます。
ところが彼女の装置は蓋が密閉されています。
またわずかな養液をミストにして根に噴霧するので少量ですみ、
ミスト装置以外はポンプもエアレーションも不要なのです。
とはいってもこれはあくまでも仮説でしかありません。
そこで先日、どれぐらい水が蒸発するのか鉢植えや
一般的な水耕栽培装置と植物なしで比較することにしました。
する一番蒸発したのは一般的な水耕栽培装置。次が土。
水耕栽培の10分の1です。いかに土が水を保持しているのが分かります。
さて最後は彼女の装置です。すると300分の1と目を疑う数値。
ほとんど水が蒸発しないのです。また養液の成分変化もありません。
実際に栽培する場合は当然、植物から蒸散されるので
養液の減少はもっと早くなりますが、それにしても脅威の節水能力です。
数年前、月の土1立方メートルあたり水が350mlもあるとの研究報告がありました。
想像以上に多いのでびっくりですが、それでも今までの方法で栽培しようとすると
水はあまりにも少なすぎます。気候変動に対応する目的で考案した超節水栽培ですが
もしかしたら宇宙開発に貢献できる技術になるかもしれない。
視点を変えるとなんだかスマートな最新装置に見えてきました。