
FLORAの倉庫から面白いものが出てきました。
それがこれ。赤いリフレクターで、青いものもあります。
簡単にいうと自動車や自転車の後部についている反射板。
これは裏面がシールになっているタイプなので
衣類やバッグなどに貼り付け、夜の交通安全に役立てることができます。
仕組みは再帰反射。どの方向から光が来ても、
必ず光源に向かって反射するよう光学的に作られたものです。
リフレクターのタイプは2種類。ひとつはガラスビーズタイプで
埋め込まれたガラスビーズで屈折させるものです。特徴は表面ざらざら。
もうひとつはプリズムタイプ。表面のプリズム組織を使って反射させます。
こちらはツルツル。どうやらこれはプリズムタイプのようです。
これを2018年のFLORAは簡易水耕栽培装置の中に貼り付けたのです。
安価な装置は白のLEDしか付いていませんが、プロの水耕装置は赤と青。
光合成に利用される波長を照射しているのです。
しかし赤はともかく青のLEDは高価。FLORAが使っているものは
波長がきちんと分かるものなので、ライト1個で1万円以上もします。
そこでこのリフレクターで赤や青の光を反射させ、生育を促進させようとしたのです。
結果は明らか。赤はレタスの草丈を伸ばし、青はポリフェノールを増やしました。
とはいってもリフレクター自体、永久に使えるといっても安くありません。
悩んだFLORAは最終的にカラーのアルミホイルを選択。
しわくちゃにした赤と青のアルミホイルで反射させ、リフレクターと同じ結果を得ています。
実験の際、本当に赤や青の波長の光が増えているのか確かめるのに使ったのが波長計。
センサーで測定すると各波長がグラフになってPCに表示される優れものです。
ただ装置は10万円以上もします。1回しか使わないので購入などできません。
そこでFLORAはメーカーにお手紙を書いて事情を説明。
するとメーカーは体験として無償で提供してくださったのです。
本当に感謝しかありません。でもそのおかげで仮説を実証することができました。
この研究は2018年、解散直前のTEAM FLORA PHOTONICSの
女子メンバーによって行われ、その概要は研究集録に掲載されています。
外部で発表することはありませんでしたが、PHOTONICSらしい光の研究でした。
しかし今年は登場する研究がなく、また倉庫で眠ることになりそうです。