これも古い古い写真です。撮影されたのは2009年の秋。
研究班がまだTEAM FLORA PHOTONICSと名乗る前です。
さてこの袋の中に入っているのはなんだと思いますか?
実はキノコ。あまりに昔なのでキノコの種類も忘れてしまいました。
でも袋の中が白い菌糸でいっぱいなのがわかります。
さてキノコも野菜や果物と同じように農業高校で学習するものですが
いったい何の科目で学ぶのでしょう。
いろいろな科目で扱えるとは思いますが、基本的には生物工学系。
培養ということで取り上げることがあります。
ただ一般的に生物工学で教材としてよく扱うのは洋ランの無菌培養。
クリーンベンチの中で試験管に入っている寒天培地などに
無菌状態で植え付ける技術です。しかしキノコは無菌どころか糸状菌そのもの。
これを同じクリーンベンチでやろうと思ったら叱られてしまいます。
そんなことからキノコを扱う機会は極めて少なく、取り扱うのは原木栽培です。
ではこの袋はどうしたのでしょう。実は中に入っているのは
何とトイレットペーパーです。これをキノコ栽培専用のビニール袋に入れて
オートクレーブで加熱滅菌。そして冷えたら袋の口を少しだけ開けて
キノコの菌糸を混ぜるという方法で栽培しました。
つまりクリーンベンチなど使っていません。
でもこのように温度だけ管理するとちゃんと育ちます。
洋ランの培養は播種してから開花するまで3年以上かかるので
高校生は在校中にその花を見ることができません。
しかしキノコは数ヶ月で収穫可能。意外とモチベーションが上がる教材です。