こちらは2017年頃のポスター。
土壌肥料学会か植物学会などで披露したものだと思います。
研究対象はペコロス。小ぶりのタマネギです。
以前先輩が、青い光で胚軸が肥大するため
カブの横幅が広くなるという研究を知ったメンバー。
今度は葉の集まりである「鱗茎」のタマネギに照射したら
同じように肥大するのではないかと挑戦しました。
場所は馴化温室。栽培は礫耕。カブ同様、肥大時期になったら
赤色や青色のLEDを照射しました。すると仮説どおり、
青色光を照射すると一枚一枚の鱗茎が厚くなり扁平になるのです。
しかし赤色を照射すると今度はラッキョウのように縦長です。
長年の経験から、予想はついていましたがタマネギの姿が上に伸びたり、
横に伸びたりしてとても面白いデータを得ることができました。
最後はもちろん試食。生でいただきました。
もちろんこちらも仮設どおり。青はとんでもなく辛いのです。
分析の結果、ポリフェノールがぐんと増えていました。
こんな辛いタマネギなんて食べられないと他のメンバーから
笑われていましたが、彼の目的は生食ではありません。
タマネギのポリフェノールといったらケルセチン。
動脈硬化予防などに期待されるとサプリで人気です。
つまり彼は薬用にするのが目的で、高く評価されました。
笑ったものが笑われる。柔軟な発想の勝利でした。
そんな彼もこの春、農学系の大学を卒業して県内企業に就職とのこと。
またみんなで会えるかもしれません。