これも懐かしい研究。
2013年のTEAM FLORA PHOTONICSの女子が取り組み
京都大学のテクノ愛で準グランプリを受賞したセロリの研究です。
その後、少し改良を加えて2015年の男子も学会で披露しています。
セロリといえば独特な香りが特徴。
大人はその香りが好きですが、子どもには逆に嫌いです。
最初にこの研究に取り組んだ女子もセロリの香りが大嫌い。
そこで光で消臭しようと考えました。
光工学と植物の栽培を組み合わせてユニークな技術を毎年発表していた
園芸科学科時代のFLORAらしい研究です。
目をつけたのが香気成分。数年前に紫外線を照射したら
食用菊の香りが消えたという実験をヒントに青色のLEDを照射しました。
するとどうでしょう。消えたと思ってかじりついた女子が悲鳴をあげています。
返って香りが強くなったというのです。
調べてみるとセロリの香り成分はポリフェノールと非ポリフェノールが半分ずつ。
どうやら光でポルフェノールを増加させてしまったようです。
そこで彼女たちは赤色LEDを弱く照射します。
すると香りがぐんと減りました。名付けて「お子さまセロリ」。
セロリ嫌いな彼女も食べられました。波長の違いと強さの違いが、
ポリフェノールはそのままに、非ポリフェノールの消臭に働いたようです。
香りが弱まった仮説は持っていましたが、実証はできないまま彼女たちは卒業。
好きなものに取り組むのが一般的なFLORAの研究スタイルですが
このように嫌いなものに取り組むのもいいものです。