
先月、オンラインのコンクールに出場するため
久しぶりにやってきた施設園芸実験室。
設計を一から担当した懐かしい実験室ですが、
最近は顔を出すこともなくご無沙汰していました。
そこでせっかく来たのですから、
苦労して設置してもらったある部屋を覗くことにしました。
それがここ。3畳あるかないかの小部屋です。
環境システム科は水耕栽培を通して、施設園芸に関する農業技術と
それに関わる電気や配管など工業の知識技術を学ぶ学科。
水耕栽培の最先端は閉鎖型植物工場ですが、
さすがに予算が膨らむため青森県は交渉しても作ってくれません。
そこで太陽光利用型植物工場に方針変更。
専用のガラス温室は作ってくれましたが、問題は育苗。
北国青森は春や秋は寒く、夏は30℃を超えます。
したがって通年栽培するためには温度管理できる育苗室が絶対必要なのです。
そこで県に水耕栽培装置、温度管理できるエアコン、
さらに波長と生育を学習できるよう光を制御できる装置を要望しました。
この施設設備を作ってくれなければ
環境システム科の設置意味さえなくなってしまうため、これが最後の砦。
さまざまな書類を準備して、何度も必要性を訴え続けました。
この小部屋は、そんな努力の甲斐あって獲得したものです。
ここで野菜の生産をするには狭すぎますが、よく考えると
空調と水耕栽培装置を備えた小部屋は完全に植物工場です。