これはこの地域でよく見る風景。黄色の植物が百メートル以上も続いています。
いったい何だと思います。もちろん「ひまわり」ではありません。
これはナガイモ。地上部が枯れて黄色になっているのです。
ではナガイモの収穫時期はいつでしょう。それは2回あります。
ひとつは11〜12月。ちょうど今頃です。
茎葉が枯れたばかりのイモはまだ水分が多く、みずみずしいため
ナガイモのシャキシャキ感を味わうことができます。
もうひとつは春、4月頃です。越冬することで糖分が増すのでこちらも人気です。
リンゴと違い、可食部が土の中にあるため
農家は長期間の収穫ができるナガイモの特徴を最大限に生かしています。
そしてこの茎葉についているのが爪サイズの丸いムカゴ。
美味しいムカゴご飯になります。
こちらはほとんどが廃棄されてしまいます。
くださいとお願いしたらいただけるかもしれません。
さてフローラはかつて青森県特産のナガイモ研究をしようと
予備実験をしたことがあります。タイトルは「長くないナガイモ」。
ナガイモはムカゴを植えて育て、10cmぐらいになった種芋を翌年また植えます。
つまり1年では、あの長いナガイモはできないのです。
ところがスーパーマーケットに行くとみんな20cmぐらいにカットされ販売しています。
じゃあ手間をかけて長くする必要なんかない。
1年目で十分じゃないかと考えたのです。行ったのは礫耕栽培。
すると15cmぐらいの小芋がいっぱい採れました。
これなら収穫作業も楽で消費者ニーズにも応えられると本格実験をしようと思った時
2018年の水の国際大会出場が決定。研究は、またお蔵入りです。
フローラにはこんな中途半端な研究がたくさんあります。