ここに10年以上前のパンフレットがあります。
とはいっても名久井農業高校の学校紹介ではありません。
初代TEAM FLORA PHOTONICSが研究に着手し
2代目が完成させた「機能性食用菊」の紹介パンフレットです。
初代が取り組み、半年後には完成させたのが「ミニナデシコ」。
LEDを照射して矮化させたもので、この成功により植物と光の関係に興味をもった
研究班はその年の後半からTEAM FLORA PHOTONICSと名乗るようなりました。
つまりフローラ誕生のきっかけとなった研究です。
その翌年にフローラの仲間入りした2年生は、理化学研究所のご支援を受け、
まだ市販されていない薬剤を用いて草花の矮化研究に取り組みはじめます。
また一人一研究のフローラは、キキョウの突然変異育種やレタスの植物工場にも着手しました。
さらにメンバーの半分が農学系の大学に進学する初代フローラが
受験で忙しくなってきたことを受け、先輩の研究も引き継いでいます。
それがこの「機能性食用菊」。延命楽、別名「もってのほか」という赤花の食用菊に
先輩ゆづりのLEDを照射し、ブルーベリーの2倍までポリフェノール量を高めた食用菊は
大いに話題となりました。2年生たちはこの研究を晩秋の京都大学で開催された
科学技術アイデアコンテストに応募。前年「白いりんご」で初出場ながらグランプリを受賞した
アップルガールズに続き、みごと2連覇を果たします。
食用菊は山形県やこの青森県南部地方が産地ですが、これらの品種の多くは
昔、東北の殿様が京都からいただいて持ち帰ったものです。
発表したのは2年生の女子メンバー。
「京都から嫁いだ食用菊が機能性を纏って里帰りする」というストーリーも秀悦でした。
初代が立ち上げた研究班を軌道にのせた2代目。本当の意味ではじめの一歩となった研究です。
その後、3年生になる直前に東日本大震災を経験した2代目。
取り組んでいるすべての活動をきっぱり休止し、後輩を引き連れサクラソウ救出と
マイクロバルによる除塩活動へと突入していきます。