
ここは10年以上もチームが農場での本拠地として
使わせてもらっている馴化温室。ガラス温室です。
先日、ニュースでせっかく高額な施設を作ったのに
施工など一手に引き受けていた企業がコロナで倒産してしまい
メインテナンスできず放置されているという話題が紹介されていました。
実はこの温室も同じ。馴化温室はコンピュータ制御の特殊施設ですが
やはり製造していたメーカーが今はもうないらしく、修理すらできないようです。
生物工学用の特殊施設であるため、野菜や花を栽培するにはちょっと不便。
フローラが手に入れられたのは、このように放置されていた温室だったからです。
さてこの写真を見て学校のパンフレットを思い出した方は、かなりの名農通です。
実は環境システム科を立ち上げる際、パンフレットやポスターが必要になりました。
しかしまだ当時、システム科のチャレンジ温室や工業棟はまだありません。
そこで白羽の矢が立ったのが、この馴化温室。生物工学は生物生産科のテリトリーですが
当時ここでLEDを使った植物研究に取り組んでいたフローラが
農と工を融合させた新しい学科のイメージになると考えたからです。
出来上がったパンフレットの表紙は、まさにこのアングルの馴化温室。
そしてポスターにはフローラが行なっていた赤や青のLEDを照射した
草花栽培の様子が掲載されました。なぜなら当時、植物工場以外で
LEDを照射した研究活動をしているのは異例。
いろいろな学会や大会で受賞し始めていた頃なので注目されたのかもしれません。
そんなことで、まるで草花班だったフローラが学科を立ち上げたようなイメージでした。
しかしそれが現実となっていきます。なぜなら環境システム科立ち上げの翌年、
草花班だったTEAM FLORA PHOTONICSは新学科の研究を牽引せよという命令で強制移籍。
その名も環境班に変わりました。さらにこの春、園芸科学科が閉科したため
環境システム科で草花も扱うことになり、本家の草花班も移籍してきました。
時代の波に翻弄された感じですが、なんとか流れ着いたところで根を張っています。
環境システム科の立ち上げポスターやパンフレットを飾っているキャッチコピーは
「農と工のドラマティックな出会い」。
誰も知らない世界を作ろうというフローラが考えたメッセージです。
来年から名久井農業高校の全国募集募集が始まります。