
生物工学実験室の机の上に顕微鏡があります。
このスタイルから判断して、実体顕微鏡ではないでしょうか。
生物工学の実習では高倍率ではなく、
立派な虫眼鏡のような実体顕微鏡をよく使うからです。
学校のものかどうかわかりませんが、それにしても古いタイプだとは思いませんか。
メーカーはオリンパス。大正時代に顕微鏡などの
製造販売する企業として誕生している老舗光学メーカーです。
そういえば子供の頃に理科の授業で使ったのもみんなオリンパスでした。
さらに昭和に入って開発されたズイコーレンズは有名。
農業高校ではプロジェクト活動が学習の中心ですが
生徒たちの活動を記録するためカメラは必需品です。
また昔はコンピュータがなく、発表に使う図表を紙で作っていたため、
露出補正をして図表をきれいに撮影してスライドにする技術が農業の先生に求められました。
しかし図表を撮影する際、せっかく三脚で撮影位置をセットしても
フィルムを巻き取るたびに、どうしてもずれてしまいます。
そこで当時の先生方はみんな35mmの一眼レフカメラに
スポーツカメラマンのようにモータードライブのユニットを取り付けて使っていました。
いろいろなメーカーがありましたが、
やはりオリンパスは優れたレンズのため一目置かれていたものです。
ところがいろいろあって一昨年、オリンパスの
カメラの製造販売部門は売却されてしまいました。
でも安心してください。顕微鏡や内視鏡分野は今でも企業の柱となっています。
古い古い顕微鏡から昔を思い出してしまいました。