ここにあるのは珍しいブラックのお米袋。
お隣の三本木農業高校のものです。
前任校であり、長い間農業科に所属していたため稲作には深い関わりがあり
ついつい懐かしくて目が止まってしまいました。
おそらく注文して手に入れた先生がいるようです。
さて名久井農業高校にも10年ほど前は、お米を販売していました。
大きな水田は、野球のグラウンドになってしまいましたが
わずかに残っていた水田で栽培していたのです。
しかし今は、その水稲栽培も行われていないので
もうこのような「名農米」というパッケージは消えてしまいました。
現在、青森県の農業関連の高校では本校の園芸科学科のように閉科したり、
農業系の類型がなくなるなど、学習する場がどんどん縮小されています。
どの農業高校も日頃から地域に密着した学習活動をしているため
該当となった高校のある市町村では町の活性化に大きな影響があると困っています。
名農も来年から完全に2学科の小さな高校になります。
かつての名農より生徒数は半減しますが、農場規模はそのまま。
実習する生徒も機会も減り、農場は維持できるのでしょうか。
また町の観光農業を支える「フルーツ娘」への協力、
地元の文化を維持するための秋祭りへの全校参加、
町の農業イベントへの参加や農作業支援活動などに影響は出ないか不安です。
気候変動と同じように急激に影響をあらわしてきた少子化問題と高校再編。
天を仰がず、知恵を出し合い、先を見据えた経営戦略を立て、
フットワーク軽く積極的に取り組む必要があります。
「何かを実行しようと決意した瞬間に、何だってできるのだ」
スウェーデン、ストックホルム出身の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの言葉です。