
環境システム科では農業、工業の他、商業に関する学習もします。
2年生が二十日大根の栽培と販売を行っているのを何度か紹介しましたが
これもビジネスの仕組みを学ぶためでした。
しかし栽培面積は少なく、売上だって微々たるもの。
いったい何がしたくて二十日大根を栽培販売したのでしょうか。
答えはこれ。ホワイトボードに書かれているたくさんの数字です。
ビジネスには利益もありますが経費もかかります。
固定費、変動費という分類もありますが
売上原価や販売管理費などという分け方もあります。
経営の学習では、これらを整理して経営分析を行う方法を学んだり
その数字から改善点を探るという作業を体験します。
教科書には一般的な計算方法などが書かれていますが
仕事をしていない高校生にはまったくピンときません。
そこで考えたのが自分たちで規模こそ小さくても営業を行い
発生した数値をもとに学ぶという方法です。
するとどうでしょう。自分の懐の話なので極めてリアル。
驚くほど理解しやすいのです。
1年間、この学習スタイルを通して農業経営を本格的に学ぶのが
名農やお隣の高校、さらに県外の農業高校まで取り入れている
学校設定科目「農業経営シミュレーション」。
環境システム科では3年時、水耕栽培を通して企業的な感覚で同様に学ぶ
「起業チャレンジ」と科目名が変わります。
主導権が学習者にある楽しい科目ですが、大切なのはこの最後の経営分析。
これがないと単なる農家ごっこ。意味がありません。
二十日大根は3年生から始まる本格的な経営学習の前に、
その仕組みを教えてくれました。