
名農の廊下に展示されているかわいいパンジー。容器もお洒落です。
展示してくれたのは草花班でしょうか。優しい気持ちになります。
さて先日、このパンジーを見た瞬間、あることを思い出しました。
それは「テーブルパンジー」。今から15年ほど前の研究です。
パンジーはこのようにかわいいので、
机上や食卓などに飾りたいと思う人が多いといいます。
しかしトライした人はみんな失敗。なぜならパンジーは
日照不足だと花首(花の下の茎)が徒長して
みっともない姿になってしまうからです。
そこで取り組んだのが暗い部屋でも光をいっぱい感じさせる工夫。
とはいっても難しくなく、ブラシナゾールという
特殊な薬剤を散布して育てるだけです。
この薬剤は理化学研究所からいただいたもの。
光感受性が高まるので農業利用について研究してほしいとの
ことで数年間取り組みました。トマトの密植栽培を可能にしたり、
野菜の耐塩性やなんとイネの耐寒性を高めるなど
面白い結果を確認して、理研に報告しています。
中でも最高傑作だと今も思うのが「テーブルパンジー」。
机上で育ててもまったく徒長しないパンジーです。
これには皆さん驚かれました。また代表メンバーが
埼玉県和光で開催された理研の公開デーで、
このパンジーを紹介するという栄誉にも預かりました。
残念ながら農薬登録されていないため市販できず
成果は実験室の域を脱しませんが、世に出したい渾身の逸品でした。