
園芸科学科の草花温室の入り口にある寄せ植えです。
まるでハボタンのようですが、葉がサボテンのような多肉植物。
きれいな花はありませんが、見事な葉の造形美をみせています。
全体を眺めると葉と葉の間が、まるで蜂の巣のように
同一の立体図形を隙間なく並べた形に見えます。
このような構造をハニカムコア(蜂の巣)といいます。
自然が作ったこの構造は、軽量で高強度、高剛性だといわれています。
また表面積が広い、衝撃吸収性が高い、さらには断熱性能があるなど
優れた性質をもっていることが明らかになっています。
最近、このハニカムコアという言葉をよく耳にする分野があります。
それが宇宙開発。宇宙ステーションや人工衛星では
電力を供給するため30m以上の巨大な太陽光パネルを広げています。
しかしパネルを広げたまま打ち上げ基地からロケットを飛ばすことはできません。
そこで小さく折りたたんで宇宙に向かい、
定位置に着いたら昆虫が羽化するかのようにパネルを展開していくのです。
その折りたたみ方がハニカムコア。強度を保ったまま小さくたためるからです。
どのようにすればうまく折りたためるか。
この研究はハボタンなど植物の自然の造形を参考にしながら
皆さんも遊んだことのある折り紙を使って行われているそうです。