名久井農業高校のグラウンドの南西方面には防風林があります。
なぜなら馬淵川沿いから、ここの高台に移転した際、
周辺は造成したばかりで植物がないうえ、周辺は畑が多かったため
春になると西風により砂塵が舞う環境だったから。
つまり砂嵐を抑制するための防風林なのです。
春から毎日のように目にするこの防風林、
誰しも針葉樹の杉林だと思っていますが、
この季節になるとそれが間違っていたことがわかります。
なんと黄色に紅葉する樹木がかなり混ざっているのです。
これはイチョウ。秋の名農キャンパスを歩くと意外に多いので驚きます。
まさに隠れミッキーならぬ隠れイチョウです。
イチョウの木には雄と雌があり、雌には銀杏が実ります。
かつて県内の農業高校の文化祭といえば
「農産物品評会」が一番人気のイベントでした。
名農でも力を入れていて、全校生徒が自分の家で栽培した農産物を
原則として一人3点、自宅で調整して持ち寄り
展示販売するもので、その数400〜500点。
第2体育館いっぱいに並べられ、
お客様はいろいろ吟味しながら買い求めていました。
売上金は生徒本人が後日受領しますが、彼らのお小遣いになりました。
したがって高く売れる農産物をこぞって出品します。
一番の高値はなんといっても小豆。その次がクルミや銀杏でした。
文化祭が近づくと山で実を拾い、ミカンのネットに詰めて持ち寄ったものです。
しかし現在、多くの農業高校でこのイベントは姿を消しました。
ほとんどが農家の子供で、その多くが後継者だった時代の話です。